PtoPファイル交換、利用者が再び増加へ

Marguerite Reardon(CNET News.com)2004年01月19日 13時38分

 独立系市場調査会社のNPD Groupが米国時間16日に明らかにしたところによると、2003年11月時点におけるピア・ツー・ピア(PtoP)の利用が、9月と比べて14%増加したという。PtoPの利用は、RIAA(全米レコード協会)が訴訟を匂わせて個人のファイル共有利用者を大々的に威嚇し始めた2003年4月から大幅な減少を見せ始め、これまで6カ月連続で減少していた。

 「RIAAがPtoPファイル共有を阻止すべく訴訟に踏み切って以来、ファイル共有の発生頻度が以前よりも減少していることを忘れてはならない。利用の増加は今回が初めてだ」と、NPDのバイスプレジデント、Russ Crupnickは声明の中で述べている。

 RIAAはファイル交換に対抗するキャンペーンを開始して以来、300件以上の訴訟を起こしてきている。同協会の関係者は、違法なファイル交換に伴うリスクが以前より広く認識されるようになったことを示す世論調査の結果を挙げながら、このキャンペーンの成功に楽観的な見方を示していた。

 レコード業界は、訴訟が音楽ファイルの違法ダウンロードを思いとどまらせる効果を実際に発揮していると主張しているが、しかしNPDなどの調査会社が出したデータは、この主張に冷水を浴びせるものだ。PtoPサービス全体の利用は2003年4月から半数近くに減少したものの、NPDなどが以前に実施した調査では、相変わらず多くの人々が音楽ファイルを違法にダウンロードしているとの結果が出ていた。

 NPDではPtoPの利用監視に2つのツールを利用している。そのひとつはMusicWatch Digitalというツールで、調査への参加者約4万人のPCを継続的に調べ、彼らが訪れたサイトと、ハードディスクにダウンロードしたファイルを記録している。

 「MusicLab」と呼ばれる2つ目のツールは、従来同様の書面による調査で、5000人の対象者に郵送され、利用量とウェブサーフィンの内容についての報告を求めている。

 1カ月おきに編集が行われるMusicLabの調査から得られた情報は、MusicWatch Digitalが発見した傾向を裏付けている。MusicLabのデータは、コンピュータユーザーの約20%がPtoPサービスから音楽ファイルをダウンロードしていた2003年5月以来、利用が激減したことを示唆している。7月にはこの数字が18%に落ち、9月にはさらに11%にまで落ちた。

 ところが、11月には12%のコンピュータユーザーが音楽ファイルの共有を行っていた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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