Microsoftはデスクトップ市場での独占状態を不当に利用し、検索エンジンやAdobe Acrobatなどの文書フォーマットに圧力をかけている疑いがある、とマサチューセッツ州政府が16日(米国時間)に主張した。
マサチューセッツ州は、Microsoftに対する独禁法違反裁判で、現在も連邦裁判所で係争している唯一の州政府。同州は、ワシントンD.C.の米地裁判事Colleen Kollar-Kotellyに提出した法的書類のなかで、この容疑を申し立てた。
「Microsoftがもし、こうした競合製品の競争力を弱め、自社製品で市場を奪うような手段に出れば、そのような競合技術の連続妨害は深刻な問題となるだろう」と3ページにわたる提出書類には記されているが、具体的詳細は述べられていない。
さらにマサチューセッツ州は、Microsoftが行なっている「問題あるビジネス上の振る舞い」が、すでに出されている裁判所命令に違反している可能性がある、と訴えている。
今回の動きの背景には、激化するウェブ検索エンジンの覇権争いがある。Yahooは14日、自社技術を優先させるためにGoogleとの検索エンジンに関する提携を解消することを表明した。一方Microsoftは、検索エンジン機能をより緊密にWindowsオペレーティングシステム(OS)に統合して、ウェブ検索から収入を得る方法を模索している。
Microsoftの広報担当、Stacy Drakeは16日、「マサチューセッツ州による主張の内容が曖昧で根拠に乏しいため、対応のしようがない。しかし我々は、常にどんな問題についても懸念を晴らすべく、話し合いの席につく用意がある。我々は、和解命令および独禁法に関するあらゆる事柄に、厳格に従うことを確約している」と述べている。
Microsoftは2002年に、独禁法訴訟を解決するために、ブッシュ政権との間で和解に合意し、Kollar-Kotelly判事もこれを承認した。この和解合意では、今後Microsoftの行為に対する監督をどう継続させるかについてのスケジュールも定められている。
Microsoftは15日、米国政府からの批判に応えて、Windows XPに内蔵している音楽購入機能に自発的に変更を加えることにしたと発表した。Microsoftと米司法省は16日に、共同でKollar-Kotelly判事に書類を提出すると見られている。
マサチューセッツ州検事総長Tom Reillyは2002年の反トラスト法訴訟の和解に異議を唱え、その後も係争を続けている。
昨年11月にはワシントンD.C.の連邦控訴裁が、和解の無効を訴えるマサチューセッツ州の主張を検討したが、判決はまだ出されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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