米YahooのCEO、Terry Semelは5日(米国時間)、同社の壮大なウェブ検索事業拡大計画について、「まだ始まったばかりだ」と述べ、2004年にはどの系列サイトでも検索が可能になると語った。
米Smith Barney Citigroup主催のEntertainment, Media & Telecommunications Conferenceの質疑応答の中で、Semelがこのようなコメントを行った背景には、昨年Yahooが検索サービス企業数社を買収して話題を呼んだという事情がある。同社はアルゴリズム検索サービスプロバイダの米Inktomiを2億3500万ドルで買収した後、さらに米Overture Servicesを16億ドルで買収して、利益率の高い有料検索サービス事業に乗り出した。
Yahooによる一連の買収は、米Googleとの対決姿勢をいっそう際立たせている。GoogleはYahooのアルゴリズム検索サービスに相当な量の検索結果を提供しているものの、両社が競合関係にあることに変わりはない。5日にはGoogleが新規株式公開の幹事となる銀行を指名したと報じられ、今後両社の競争は激しさを増すばかりだ。Googleはウェブ検索の代名詞の地位をYahooから奪い、さらにOvertureのサービスに酷似する利益率の高い有料検索ビジネスを作り上げている。
質疑応答の中でSemelは、「我々は適切な時に目覚め、ネットワーク全体に絶えず検索が存在することを知った」と述べ、さらに「検索業界のもう1人の主力プレーヤーになれる絶好の機会を見出した」と語った。なお、この質疑応答の模様はウェブ上でライブ中継された。
さらにSemelは、YahooはOvertureとInktomiを買収したことで、今後より多くのコンテンツサイトで検索サービスを提供できるようになると語った。これにより、ファイナンス、ニュース、音楽といった人気カテゴリのページを見ていたユーザーが、Googleなど他の検索プロバイダへ移動するのを阻止できることになる。
Semelは「音楽には音楽専用の検索、ファイナンスにはファイナンス専用の検索があってもいいのではないか」と述べた上で、「我々がそれらを提供する」と語った。
Semelは基調演説の中で、2001年にYahooのCEOに就任して以来成長を遂げたYahooのその他の分野、とりわけ有料サービスについて称賛の言葉を述べた。Semel によると、CEO就任当時には皆無に等しかった有料サービスの会員が今や500万人に達したという。さらにSemelは、2001年の最初のアナリストデーで自身が設定した会員数1000万人の目標についても「全く心配していない」と付け加えた。
この有料サービス事業では、米SBC Communicationsとの提携が柱となっており、同社のDSL(デジタル加入者線)サービスにコンテンツとサービスをバンドルして提供している。SBCは前四半期に36万5000人の新規加入者を獲得し、総加入者数は310万人に達したと発表。これらの新規加入者は全て、Yahooの新規加入者としてもカウントされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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