インターネット小売販売大手の米Amazon.comは18日(米国時間)、デジタルメディアサービスプロバイダーの米Loudeyeとの音楽サンプル供給契約を延長した。一方、世界最大の小売チェーンである米Wal-Mart Storesは、独自に進めるオンライン上のディスカウント音楽ダウンロードサービスについて、テストを開始したと発表した。
AmazonとLoudeyeは、詳しい契約内容を明らかにしておらず、Amazonが自社サイトで扱うアーチストや作品のサンプルを利用者に聴かせることを可能とする複数年の契約だという以外にはわかっていない。Loudeyeは現在、400万曲以上の権利を保有し、Amazonにサンプルを提供している。
ワシントン州シアトルに本社を置き、デジタルメディアに特化してオンラインミュージックストアやインターネットラジオネットワークなどのサービスを提供する同社は、ウェブベースの楽曲販売/流通業界における新興企業の地位を確固たるものにしつつある。今週初めにLoudeyeが明らかにしたところでは、同社は米Microsoftと提携し、他社ブランドのオンライン音楽配信サービス向けにインフラと流通の機能を構築していくという。
Loudeyeが影響力を拡大しつつある状況は、合法音楽ダウンロードサービスの急成長を浮き彫りにしている。特に、米Apple ComputerのiTunesミュージックストアは消費者の間で大ヒットとなり、1曲99セントで提供している楽曲がすでに2500万曲以上も販売されている。Appleは、1曲単位で楽曲を販売するiTunesのビジネスモデルで、著作権を根拠にファイル共有サービスの閉鎖を狙って戦う音楽業界と、消費者の双方にぴったり合う解決方法を見つけ出したようだ。
このトレンドに便乗して、AppleのiTunesとの競合を目指すもう1つの企業が、巨大小売りチェーンのWal-Martだ。同社はダウンロード音楽販売システムのテストを開始しており、来年初めにサービスを開始する予定であることを明らかにしている。既存の電子商取引サイトのコーナーの1つとして構築されるWal-Martのサービスは、Liquid Digital Media(旧Liquid Audio)との提携によって開発が進められている。
Wal-Martのサービスで他社より魅力的なポイントの1つは、iTunesのダウンロード価格を下回る1曲わずか88セントという価格設定だ。同社のサイトを訪れればテスト期間中も既にこの価格で曲を購入できるようになっており、また同サービスは顧客のフィードバックを評価してから正式に稼働すると、同社は話している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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