情報筋によると、米America Onlineは早ければ16日(米国時間)にも、マルチメディアソフトウェアWinampのアップグレード版、Winamp 5を発表するという。この最新版には、MP3エンコーディング機能を持つ有料の“Pro”バージョンも用意されるとのこと。
Winamp 5は、オリジナルの開発元である米Nullsoftにとって、いまよりシンプルだった時代への回帰が際立つものとなっている。AOLは1999年、オンライン音楽戦略を活性化させる目的でNullsoftを買収した。前バージョンのWinamp 3は野心的な試みで、独自のプログラミング言語“Wasabi”をつくり出したり、同プレイヤー向けアプリケーションを開発するなどの取り組みが進められた。だが、Winmap 3には肥大して動きが鈍いという批評が付きまとった。そのため、AOLは今年、もっとスリムな2.x版にすりかえていた。
Nullsoftに近い情報筋によると、Wasabiの開発を担当したBrennan Underwoodと、もう一人の著名なNullsoftの開発者が先週解雇されたという。この解雇は、AOLのカリフォルニアオフィスで広く行われている解雇の一部という。
Nullsoftの創設者Justin Frankelは、WinampのWebサイトで、バージョン5は15日に発表するかもしれないと示唆していた。だが、情報筋によると、リリースは16日に設定されているという。
Winamp 5は、2.xと3.xの要素を組み合わせ、なめらかで機敏に動作するソフトをつくろうとする試みの成果だ。前のバージョンと同様、これはオンラインの音楽やビデオを管理するよう設計されている。新たに付け加えられた機能には、DolbyのAACエンコードフォーマットを用いてCDからの録音と新規CD作成ができる、Winampが独自に開発したソフトウェアがあるという。
AOLはまた、同ソフトウェアの有料バージョン“Winamp Pro”の発表も予定しているが、こちらのリリースは早くても17日になるという。価格は未定。Winampは自らのWebサイトで、MP3エンコーディング機能やより高速なCD録音・記録機能を含んだ有料バージョンの発表を示唆していた。
その他のWinamp 5の機能には、ShoutCastラジオステーションへのクイックアクセスがある。情報筋によると、このラジオステーションは、他のユーザーの楽曲リストを聞いたり、自分のリストを公表することができるもので、また同様のユーザー生成型のビデオストリーミングサービスも行えるという。
かつてはオンライン音楽プレイヤー市場で支配的な立場にあったWinampだが、AOLの傘下に入ってからは、米Microsoftや米RealNetworks、米Apple Computerがシェアを獲得するにつれて、存在感が薄れつつある。米Nielsen/NetRatingの調査によると、2003年5月の時点でWinampの利用者は550万人に達したが、この数字はMicrosoftのWindows Media Playerの4310万人、RealNetworksの2600万人、Apple QuickTimeの1350万人と比べて、かなり少ない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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