米Yahooは米国時間8日、インターネット接続サービスを含む待望のプレミアムパッケージを発表した。これは、自社のウェブポータルを訪れる数百万人の訪問者を利益の得られる顧客へと変えるための新たな取り組み。
「Yahoo Plus」は、同社が提供する多数の有料ウェブサービスを、月極の定額プランとして1本にまとめようというもの。同社は、収益拡大の手段としてブロードバンドインターネットサービスを狙う、米America Onlineと米MicrosoftのMSNという同社最大のライバル2社に対抗して戦いを繰り広げている。
先週Microsoftは、独自有料インターネットサービスパッケージのMSN PremiumとMSN Plusを、1月に開催されるConsumer Electronics Showで発売することを明らかにしている。
1カ月10ドル以下になると思われる両プランは、MSNオンラインサービスのバリエーションだが、インターネット接続サービスは付いていない。一方のAOLは、先日投入したばかりで、やはりインターネットアクセスサービスなしで14ドル95セントとなるAOL 9.0 Optimizedオンラインサービスの、大規模なマーケティングキャンペーンを開始している。
Yahooは低価格路線での訴求を狙い、Yahoo Plusを1カ月5ドル95セントの料金設定にする。このインターネット接続をバンドルしたパッケージには、90日分の無料試用期間が付く。
これらのバンドルサービスに消費者が魅力を感じるかどうかはまだ明らかになっていないが、Yahoo、AOL、そしてMSNは、市場の流れがはっきりするのを待たずに、自社サービスを投入したことになる。
米Jupiter Researchのアナリスト、David Cardは、「まだ十分に普及していないので、ブロードバンド利用者にとって魅力かどうかは何とも言えない」としながらも、「シンプルで、また割安になるので、バンドルには常にお得感がある」と加えた。
Yahoo Plusは、多数の有料サービスと、カスタマイズ可能なMy Yahooウェブページの改良バージョンが組み合わされたものとなっている。このサービスは、ダイヤルアップアクセスから、Yahooが米電話会社SBC Communicationsとの提携によって提供する、高速ブロードバンドへの乗り換えを検討している人々をターゲットにしている。Yahoo Plusパッケージが提供する機能の大半は、SBCのデジタル加入者回線(DSL)サービスにも含まれている。
今月発売予定の同パッケージでは、メディアコンテンツのストリーミング、ポップアップ広告をブロックするソフト、有害コンテンツコントロールの強化、電子メール、インスタントメッセージ(IM)ソフトウェア、そしてアンチウイルスソフトウェアなど、コミュニケーションやセキュリティ関連の各種機能が含まれる。さらに、加入者のウェブブラウザと融合してサービスへのリンクを提供するカスタマイズ可能なツールバーも付属する。
Yahoo Plusに含まれる電子メールには、最大100MBのメールボックス、POPサーバへのメッセージ転送サービス、そして強化したスパム防止機能などが付属する。また、デジタル写真の保存共有や、ユーザーが電話から電子メールを送受信できるYahoo by Phoneサービスへのアクセスも提供される。
エンターテイメント関連では、ビデオコンテンツや、マルチプレーヤーのオンラインゲームがある。このストリーミングビデオは、同社が単独の有料サービスとしては廃止を計画しているYahooのPlatinumサービスから、Yahoo Plusに移される。
このパッケージにはまた、1家族あたり最大10人分のネットアクセス用アカウントが含まれ、各ユーザーの初期設定をそれぞれのツールバーに保存することも可能になる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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