米Microsoftは、米Googleと競合する多言語ニュース検索サービスのテストを開始し、競争の激しいウェブ検索市場での賭け金を吊り上げた。
MicrosoftのウェブポータルであるMSNは、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語の4カ国語でニュースを検索する「MSN Newsbot」というサービスのテスト、もしくはベータ版を公開した。Newsbotウェブサイトによると、MSN Newsbotは実験目的の自動ニュース配信サービスで、4000カ所以上のオンライン情報源からニュースを収集するという。
Microsoftによると、同サービスは競合他社の提供する同様のサービスと異なり、トラッキング技術と、Microsoftの電子財布システムであるPassportのユーザーデータを使い、同サイトにアクセスしたユーザー毎にパーソナライズされたニュースを配信するよう設計されているという。
Microsoftの関係者は、新しいサービスについて詳細を明らかにしなかったが、同社のサイトには、これはカリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くニュースデータ情報源のMoreover Technologiesと、同社の研究開発部門であるMicrosoft Researchとの提携から生まれたサービスだと記されている。
MSNのプロダクトマネジャー、Karen Redetzkiは、「MSN Newsbotはまだ初期段階にあり、現在はベータ版が提供されているが、徐々に多くの国(の言語)が追加されていく見込みだ」と語っている。
今回の動きは、Microsoftがウェブ検索分野で初めてGoogleに直接仕掛けた攻撃となる。Microsoftは、ウェブやPC上での検索を独占しようという計画を隠そうとせず、自社の各ウェブサイト、アプリケーション、そしてWindowsオペレーティングシステムのコンシューマー向け検索機能をひとつにまとめるシステムの開発に5億ドルの投資を行っている。
MSN NewsboはGoogleに標的を定めたもので、Microsoftが自社の技術を使ってサービスの質を改善でき、またウェブユーザーとの間に築いた関係が有利に働くと考える分野で挑戦といえる。
同社は、このテストサービスを提供するにあたり、Joshua PetersenというAmazon.comの元幹部を3月に招聘している。同氏は、レコメンデーション・エンジンを利用してAmazonの事業を成長させた、立て役者とも言われる人物である。Petersenは現在、Passportユーザーや一般のウェブユーザー向けにMSNのニュースをカスタマイズするプロジェクトを率いている。
MSNサイトによると、MSN Passportのユーザーは、サイトを10分ほど閲覧するとパーソナライズされたニュースを入手できるようになるという。同サイトは、個人がこれまでに見たニュースソースなどを基に、それぞれの関心に合わせたニュースを表示してくれる。また、Passportアカウントを持っていないユーザーに対しては、MSN Newsbotは集約したデータを利用して情報源を推薦するという。
Microsoftでは、ほぼ5カ月前に、MSNBotをひそかに動かしはじめている。この技術はウェブを巡回してHTMLリンクやドキュメントのインデックスを作成するものだ。MSNBotは、Microsoftが数年がかりで進めている、新しい検索技術の構築計画における第1歩であり、同社製品を家庭で利用する個人ユーザーと、ビジネスユーザーとの橋渡しをする技術だ。
Microsoftとは反対に、GoogleではMicrosoftのホームコートとも呼ぶべきパソコンのデスクトップ上で、あるソフトウェアのテストを行っている。先週同社は、Google Deskbarというソフトウェアの実験を公然と開始した。このソフトはブラウザを起動しなくても、ウェブを閲覧できるようにするというものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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