ノルウェーのOpera Softwareは26日、Windowsプラットフォーム向けのOpera 7.20日本語版を発表した。この発表にあわせ、同社より最高経営責任者のJon S. von Tetzchner氏が来日、日本のOperaファンとプレスを招いてカンファレンスを行った。
1996年に最初の製品がリリースされて以来、今年8月には1000万ダウンロードを越えたOperaブラウザ。多くのブラウザメーカーがMicrosoftのInternet Explorer(IE)の脅威にさらされブラウザ事業から撤退していくなか、シェアはわずかなもののコアなファンを抱えて健闘しているブラウザだ。Tetzchner氏はOperaが支持される理由として、サイズが3.4メガバイトと小さいにもかかわらず、他のブラウザと同程度の機能を備えていることや、ハードウェアも最新のスペックを必要としないことなどをあげている。Operaの最新バージョンで必要とするハードウェアリソースは、1996年に最初のバージョンが出た頃とほとんど変わっておらず、現在のバージョンも486マシンなど古いPC上でも問題なく動くのだという。
Opera Software最高経営責任者、Jon S. von Tetzchner氏 | |
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有償で提供を続けてきたOperaに広告つきの無償版が登場したのが2000年12月。同様の機能を持ったIEやNetscapeなど、無料で提供されるブラウザが市場にあふれていたのだからOperaの無料化も自然な流れといえる。だがTetzchner氏によると、無償版の登場によりお金を支払っても使いたいというユーザーが増えたのだという。現在Operaの有償版は39ドル。Tetzchner氏は、今年の有償版購入者を10万人と見込んでいる。
日本でのOperaの販売は、2002年2月にOpera Softwareとライセンス契約を結んだトランスウェアが行っている。現在の提供価格は、ダウンロード版が4800円、パッケージ版が5480円。トランスウェアPR担当の関口浩之氏によると、日本でのこれまでの無償版ダウンロード件数は150万件(アクティブユーザー約50万〜60万人)、有償版の販売数は2万件だという。トランスウェアはメール関連商品のパッケージ開発やシステム構築を行う企業で、ウェブメールの表示の速さなどの点からOperaが最良だと見込んで契約に至った。同社は一般ユーザーへの販売の他、企業や官公庁などセキュリティ上IEを利用していない組織に対し、積極的にOperaブラウザを販売している。またTetzchner氏は、Netscapeのブラウザ事業に関わる技術者が解雇されつつある現状から、「正式に発表されてはいないが、事実上彼らはブラウザの開発を打ち切ったと見ていいだろう」とし、その影響で「IEの代わりになるのはOperaしかないと考える企業が増え、問い合わせも増えた」と述べている。
組み込み分野に注力するOpera
Opera Softwareでは、1998年よりモバイル機器など組み込み市場にも力を入れている。日本で組み込みブラウザといえばACCESSのNetFrontが知られているが、OperaはシャープのZaurus上で提供されているのをはじめ、京セラともパートナーシップを結び、μITRON上で動くブラウザを提供するという。また、詳細は明らかにできないとしないながらも、現在日本のゲーム会社と技術的な話を進めているとTetzchner氏。「数カ月以内にいろいろなことが発表できるはずだ。組み込み分野の市場は非常に大きいと感じている。Operaはマルチプラットフォームをサポートしているし、サイズが小さくてもフル機能を備えたブラウザだ。今後組み込み分野でのOperaのシェアはさらに大きくなるだろう。そのことが、しいてはデスクトップ上でのOperaの普及にもつながっていくと信じている」とTetzchner氏は述べた。
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