Kazaa、「ハリウッド共謀説」を唱えて再提訴

 ファイル交換サービス企業の豪Sharman Networksが、レコード会社や映画会社を相手取り、新たな反トラスト法裁判を起こした。この背景には、依然として著作権侵害にあたると主張されている同社の人気ファイル交換ソフトKazaaに対する批判をそらしたいとの同社の思惑がある。

 Sharman Networksは訴えの中で、レコード会社と映画会社が結託し、デジタル配信事業を独占する目的で、同社の締め出しを図ったと主張しているが、これは同社が今年1月に最初に提起した訴えと、ほぼ同じ内容である。連邦裁判所が7月に下した判決では、同社の主張の大半が退けられている。Sharman Networks が、22日に起した新たな訴訟で問題としているのは、7月の判決では、同社がレコード会社や映画会社の活動によって直接的な被害を被っていないと判断された点だ。

 改訂された訴状には、一旦はピア・ツー・ピア(PtoP)の配信事業に興味を示しながら、その後手を引いたレコード会社の幹部の氏名など、Kazaaによって実際に行われたことが証明されている明確な共謀の事実が列挙されている。

 Sharmanは訴状の中で、「今回の共謀の独占的目的は、PtoPプラットフォームを使ってコンテンツ配信を行っている事業者を、業界から締め出すことだ」とし、さらに「(著作権保有者の)目的は、将来(映画会社やレコード会社が)関連市場をより直接的にコントロールできるような方法で、音楽か主要な演劇作品のどちらかをデジタル配信する将来の手段を制限することにある」と主張している。

 これまでファイル交換サービス企業は、監視の目をレコード会社や映画会社の商行為に向けさせることにより、著作権侵害訴訟に対して防戦しようと様々な手段を講じてきたが、今回の訴訟もその一例と言える。

 これらのファイル交換サービス企業は、これまで合法的なインターネット配信の開発と著作権違反訴訟の全体に渡って、ギリギリの線を歩んできており、事業者団体を結成して共同でインターネットビジネスに投資することもしばしばあった。

 2001年には、被害を受けた第1世代のインターネット企業からの申立てを受け、大手レコード会社のオンライン事業に対する米連邦政府の反トラスト法違反の捜査が実施されたが、結局告発されたケースは1件もなかった。また某独立系ブロードバンド映画配信事業者は、オンデマンドウェブサイトMovielinkへのサポートに関連した独占禁止法違反容疑で、大手映画会社数社を提訴した。MovielinkはMGM Studios、Paramount Pictures、Sony Pictures Entertainment、Universal Studios、Warner Bros. Studiosの大手映画会社5社が参加する共同プロジェクトである。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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