9月4日、東京広尾で「最近話題のウェブログの今とまだ見ぬ可能性を探る」と題したイベント「Link Knowledge! レクチャーシリーズ 第1回」が開催された。今夏初めに発売された2冊のBlog本の著者をゲストに招き、XML技術の最新動向やBlogの展望について熱い議論が交わされた。
新しいパーソナルパブリッシングの形として注目を集めるBlog。最近では、携帯電話から写真や動画をBlogに載せる「Moblog」や、電話越しに音声をアップする「Audblog」など表現形式も様々だ。ところが、これらを支えるデータ処理はどれも簡易なXML技術の応用にすぎないという。今回のレクチャーでは、Blogの裏側で展開されているXML関連技術の話題に主な焦点が当てられた。
講演者である田口和裕氏と平田大治氏は、それぞれ『ウェブログ入門−BloggerとMovable Typeではじめる』、『Movable Typeで今すぐできるウェブログ入門』という日本で最初のBlogガイドブックの著者として知られている。
講演を行った平田大治氏(左)と田口和裕氏(右) | |
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田口氏は、現存するBlogツールや関連サービスを多岐に渡って紹介した。同氏によれば、一般的なBlogツールはRSS(RDF Site Summary やRich Site Summary、Really Simple Syndicationの略と言われている)と呼ばれるメタデータ(記事のタイトルや概要など)を自動的に生成しており、RSSリーダーのようなアプリケーションを利用することで、メールチェック感覚で様々なBlogサイトから最新記事の概要をアグリゲーション(収集)することが可能であるという。このような技術背景を説明した上で、XML技術の進化によるウェブ閲覧のあり方の変化を指摘した。
一方で、平田氏は自身が開発・提供しているサービスを例にとり、XMLによる技術開発の手軽さについて主張する。平田氏が開発したBlog更新通知サイトの「PING.BLOGGERS.JP」は1日で、Moblogサービスの「moblog mail gateway」は3日間でそれぞれ完成したという。こうした参加者を驚かすような開発秘話を明かした上で、「新しいアイデアを非常に簡単に実現することができる幸せな環境がある。XML・WEBサービスの世界に参加するなら今が好機だろう」と呼びかけた。
最近ではBlog関連のビジネスも徐々に登場しつつある。大手プロバイダーの米AOLも、携帯電話やインスタントメッセンジャーから投稿が可能なBlogサービス「AOL Journals」をスタートさせるなど、Blogのインターフェースは多様化・簡便化を進めている。田口氏は、このような裾野への広がりの期待を込めて「今、携帯電話で写真を送り合っている高校生がBlogをつけ始めたらこんなに面白いことはない」と締め括った。
会場へは予定していた定員を大幅に越えて130名以上が詰め掛ける盛況ぶりだった。参加者の顔ぶれもベンチャー起業家から学生まで実に様々。ブロガー(Blog運営者)達も多数駆けつけ、会場ではオフ会とばかりに盛んな情報交換も行われていたようだ。
イベント終了後はこの記事よりも早く、いくつものBlogに参加者の感想やログ等が続々とアップされている。イベント主催者や田口氏、平田氏もそれぞれのBlogへコメントやトラックバック(参照通知)を送っている状況を見ると、日本においてもBlogが既に盛り上りを見せている現状がうかがえる。
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