コンシューマーには、レコード店で購入したCDを中古CDとして売ることは認められている。では、オンラインストアからダウンロード購入したデジタル音楽ファイルの場合はどうなのだろう?
George Hotellingが知りたがっているのは、まさにこの点だ。ミシガン州アンアーバーに済むこのウェブ開発者は米国時間2日夜、米Apple ComputerのiTunes Music Storeでオンライン購入したデジタル形式の楽曲をeBayでオークションにかけた。これが、インターネット音楽の再販権という新しい法的な問題に発展する可能性がある。
Hotellingは、99セントで購入した楽曲「Double Dutch Bus」を売って、果たしてお金が取り戻せるかどうかには全く関心はないという。だが、試しにこの曲を売りに出すことで、商業オンライン音楽サービスから生じる厄介な問題にメスを入れたかったという。とくに、違法コピー防止に使われるデジタル著作権管理(DRM)技術の問題がどうなるかには、関心があるという。Hotellingは、こうした意図から、オークションで売れた価格がいくらであっても、その代金をEFF(Electronic Frontier Foundation)に寄付すると約束している。
Hotellingの挑戦は、明らかに熱狂的なオンライン音楽ユーザーに反響を与えたようだ。多くのユーザーは、音楽会社からライセンスを受けて営業している、iTuneなどのネット音楽サービスが使っている、著作権コントロールのやり方に怒りを示している。9月9日に終了予定のHotellingのオークションは、3日の夕方時点で1万5099ドルという高値を付けている。
Hotellingは、作品の著作権所有者の許可がなくても、その作品の合法的なコピーを売ることができるという法原則を引き合いに出し、「私が何らかの物理的あるいは知的財産を購入した場合、“ファーストセール”の権利があるかどうかを知りたいだけだ」と述べている。
AppleのiTuneは今年春にサービス開始し、無料だが違法のファイル交換ネットワークの世界に食い込もうとする商業オンライン音楽サービスとして、新たな基準を打ち立てた。コンシューマーがこれまで同ストアで購入した楽曲数は、合わせて約700万曲に達しており、アナリストらは、Appleが世界のPCの90%以上を占めるWindows OSと互換性のあるバージョンを提供すれば、この数はさらに飛躍的に増加すると見ている。
生まれ変わったNapster、デジタル音楽サービスのMusicmatchなど、他社もこの市場に参入している。一方、RealNetworks、America Online、Amazon.com、そしておそらくはMicrosoftも現在、デジタルダウンロードの販売を計画中だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」