市場調査会社NPD Groupの最新の調査によると、レコード業界の法的な取り組みにより、違法なファイル交換が減少しているようだ。
NPDが21日(米国時間)に発表したレポートによると、全米レコード協会(RIAA)がファイル交換を行う個人ユーザーを追求する可能性を示唆した直後の5月から、オンラインファイル交換の数が減少し始めたという。NPDの調査では、音楽を入手している世帯数は、4月の1450万件から5月には1270万件、6月には1040万件と、徐々に減少している。
NPDの言う「音楽の入手」とは、有料サイト、CDのリッピング(音楽CDの内容をパソコンにデジタルデータとして取り込む)、ファイル交換サイトを通して楽曲を入手することを指す。過去3カ月間に、これら3つの方法で入手された全ての音楽のうち、ファイル交換によって入手されたものがおよそ3分の2を占めた。NPDは、それぞれの入手方法について将来の研究の中で、より詳細な統計を発表するつもりだという。
今年4月、2人の連邦裁判所判事が、RIAAが今後ファイル交換を行う個人ユーザーを追求していく上で根拠となる判決を下した。まず、1人の判事がVerizon Communicationsに対し、著作権で保護された莫大な量のファイルを交換した疑いのある加入者の身元を明らかにするよう命じた。さらにその後、別の判事がPtoPファイル交換ソフトGroksterとMorpheusのメーカーは著作権侵害の責任を負わないとの判決を下したが、これは裏を返せばレコード会社が代わりにファイル交換を行う個人ユーザーを追求することを認めたに等しい。
NPDは、5月にファイル交換の件数が急減したことと、RIAAの法廷闘争との間に、直接の関連性は認められないと語ったが、やはり単なる偶然の一致ではなさそうだ。
NPDのバイスプレジデント、Russ Crupnickは声明の中で、「RIAAの法的取り組みがファイル交換減少の唯一の原因とは断言できないが、単なる自然な季節的減少とは言い難い」と語った。
しかし夏は、多くの学生がキャンパスを離れ、膨大な数のファイル交換が可能な大学内の高速なインターネット接続環境が利用されなくなるため、例年ファイル交換数は減少する。
RIAAはファイル交換者の提訴を目的とした公開キャンペーンは行ってこなかったが、今年の6月下旬に違法なファイル交換を行ったユーザーの身元を特定するための証拠収集を開始すると発表した。それ以来、RIAAはあらゆる身分・職業のファイル交換者に対し、何百通もの召喚状を送付してきている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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