PtoPは合法的との判定を不服とするメディア各社

 米国のレコード会社および映画会社は19日、いくつかのファイル交換ソフトウェアを合法的と初めて法廷で認めた4月の連邦裁判所の判定を不服として、控訴したと発表した。

 この判定を行ったのはロサンゼルス連邦裁判所の判事Stephen Wilsonで、ファイル交換の爆発的成長に歯止めをかけるために、ピアツーピア(PtoP)ネットワークを運営する業者やソフトウェア開発者を訴えるという著作権所有者の戦略にとって大きな一撃となった。Napsterに反対した判定に始まり、これまでの法廷での判決は全てレコード業界や映画業界に好意的なものだったからだ。

 「(Wilsonの判決は)間違っていた」と19日、米レコード協会(RIAA)会長のCary Shermanは語った。「著作権のある作品を違法に交換することのみを理由に成り立っている事業があり、これらの企業はどんどん儲けている。上訴裁判所はこれらの企業に対し、弁明する義務があるとすべきだ」。

 これまでの判事とは異なり、Wilsonは、数百万もの人々がソフトウェアを使って著作権法を破っていることは明白な事実であるにも関わらず、ソフトウェアを分散させる企業はユーザーの悪事に対する責任はないとの判定を下した。Wilsonは、このようなソフトウェアをビデオデッキやXeroxコピー機になぞらえた。

 今回、米映画協会(MPAA)と米音楽出版協会(NMPA)もRIAAの控訴に加わり、WilsonはNapsterに反対した判決を下した第9巡回控訴裁判所の判例に従っていないとしている。この判例では、完全な裁判にかけられることはなかったものの、判事らは、Napsterがユーザーの著作権侵害に責任があるだろうという大枠を示した。

 「地方裁判所は、むしろ違法なNapster企業に類似している(Streamcastと)Groksterを、信じられないことにXeroxと同等に扱っている」とNMPAは訴訟事件摘要書に書いている。「Xeroxと(Streamcastと)Groksterを比較することは、鶏を売る農家と闘鶏試合を企画運営する企業を比較するようなものだ」。

 著作権所有者は、長い間控訴する姿勢を示してきたが、訴訟を複雑にしていた訴訟手続きの問題により、控訴に時間がかかっていた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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