米Jupiter Researchによると、オンラインの音楽販売は、業界全体の不振やデジタルサービスが不活発であるため、前回調査時よりもさらに低調になる見込みだという。
しかしJupiterでは、ネット音楽の売上は依然として成長を続け、2003年の10億ドル未満から、2008年には33億ドルになると予測している。同社は最新の予測を28日(米国時間)にリリースしたが、このなかでインターネットでの音楽販売が、2008年までに米国での音楽販売全体の25%を占めると見ていると述べた。
同調査によると、2003年のオンライン販売によるCDの売上は横ばいで、7.5億ドルになるという。
JupiterのアナリストLee Blackは、「音楽のオンライン販売は、多様化する娯楽費の使途、顧客の年齢層の変化、CDへのアップグレードサイクルの終焉、違法コピーの問題に悩まされている」と声明の中で述べた。
米Apple ComputerのiTunesや、BuyMusicなどのサービスが開始されたことで、大手レーベルや個々のレコード会社の発売する楽曲を提供する音楽ダウンロードサービスには、新たな注目が集まっている。
しかし、「Apple Computerはデジタルダウンロードサービスへの関心を再燃させたが、ダウンロード方式とサブスクリプション形式を合わせた今年の全体額は8千万ドルに届かないだろう。」とBlackは語った。
Jupiterはここ数年、オンライン音楽の売上予測を度々下方修正してきており、その度に、市場の不振や、デジタル音楽配信サービスが顧客の期待に応えられていないことを理由に挙げている。同社は昨年、オンライン音楽市場は2007年に51億ドルまで成長すると予測したが、これは前年の予測55億ドルから下方修正してものだった。
著作権の問題も、オンライン音楽サービスの障害となっている。レコード業界は先月、オンラインで不法に音楽を交換するファイル交換プログラムの利用者をさらに厳しく取り締まる意向を明らかにしている
Jupiter Researchによれば、ヨーロッパの状況にもあまり変わらないという。ただし、EMI Recorded Musicが殆どのカタログをオンラインで公開すると決めたことに言及し、「ヨーロッパのオンライン音楽市場は、この数年間、スタート地点で行き詰まっていた。しかし、ついに情勢は変化し始めている。」と、同社のアナリストMark Mulliganは声明の中で述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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