鳴り物入りで報道されてはいないが、デジタル権利管理(DRM)技術を開発する米InterTrustが、米Microsoftを相手取って起した特許訴訟で、連邦裁判事はInterTrustの訴えを支持する重要な裁定を下した。
実質的には訴訟そのものの基本原則を定めることを狙いとした今回の予審で、Saundra Brown Armstrong判事は、InterTrust Technologiesを強く支持する裁定を下した。同社は144件の特許権侵害でMicrosoftを訴えている。この訴訟でInterTrustは、WindowsオペレーティングシステムからXboxゲームシステムにいたるMicrosoft製品が、同社のデジタル権利管理技術に関する特許を侵害していると主張している。
Microsoftが実際にInterTrustの特許を侵害したか否かに関しては判断が下されていない。しかし、関連する諸条件や特許の範囲を定義した、いわゆるMarkman hearingは、訴訟において重大な段階となっており、特許弁護士によれば、この段階で特許所有権者に有利な決定が下されると、最終的に訴訟で勝利するチャンスが大いに高まるという。Armstrong判事の裁定は、7月3日に出されていた。
InterTrustが起した訴訟では、今回出された裁定がMicrosoftを追い詰める材料になるかもしれない。この小さなデジタル権利管理技術を開発する会社は、2年以上前に訴えを起して以来、徐々に請求項目の数を増やしてきているが、裁判のほうにあまり進展は見られていなかった。
デジタル権利管理技術、もしくは「著作権保護テクノロジー」とは、楽曲やビデオのようなコンテンツの不正コピーを防止するためのもの。Microsoftは、この新たに登場してきた分野を支配するために積極的に攻勢をかけてきた。InterTrustは、Microsoftがその過程で、同社のさまざまな特許を侵害したと主張している。
この間、苦境にあえいでいたInterTrustは、ソニーと蘭Philips Electronicsが所有するジョイントベンチャーに買収され、現在は知的所有権の認可を専門とする会社になっている。
InterTrust 最高経営責任者(CEO)のTalal Shamoonは、今回の裁定を歓迎すると述べたが、同時に裁判所の支援を受けての関係者間の話し合いの可能性も期待していると述べた。
いっぽう、Microsoftの広報担当者は、同社がInterTrustの訴えを根拠がなく、あまりにも幅の広いものと信じており、そうした主張に対して、あくまでも自分たちの立場を主張していくつもりだと述べた。
この予審はいくつかの重要な定義に関し、InterTrustに有利な解釈を下したことになるが、これが訴訟の終わりを意味するものではない。「特許所有権者にとって非常に意味のある勝利だが、最終的な勝利をおさめるまでにはまだ長い道のりがある」と特許弁護士Bruce Sunsteinは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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