ファイル交換(PtoP)ソフトウェアの開発とサービスを手がける米Groksterは米国時間7月15日、ポップアップ広告とアドウェアを排除したPtoPソフトウェアをリリースした。価格は19ドル99セント。
Groksterや米KaZaAなど人気の高いPtoPサービスは、音楽ファイルの無料ダウンロードで数百万人ものユーザーを引き付けている。しかし、ユーザーは音楽ファイルを検索する際、わずらわしいポップアップ広告を我慢しなければならなかった。Groksterは、「広告を排したソフトウェアは、不満を抱くユーザーの声に応えるもの」としている。
今回の有料ソフトウェアの提供は、ライバルの米StreamCast NetworksがMorpheusソフトウェアの新バージョンを発表したことも影響している。Morpheusの新ソフトウェアでは、ユーザーはプロキシサーバを通じてファイルのアップロードやダウンロードを行うことで、個人情報を隠すことができる。
GroksterやKaZaA、StreamCastをはじめとする企業は、PtoPサービスが著作権法を侵害するものだと主張する米国レコード工業会(RIAA)の非難の的となっていた。しかし、連邦裁判所は4月に、「PtoPソフトウェアの提供企業は、ソフトウェアの利用者が犯す著作権侵害の法的責任を負う必要がない」とする判決を出した。このため、RIAAはPtoPサービスのユーザーに攻撃の矛先を変え、6月には、GroksterやMorpheusなどのPtoPサービスの利用を裏付ける証拠収集に乗り出した。
なお、米Nielsen/NetRatingsが15日に発表した最新調査によると、RIAAの提訴を懸念して、PtoPサービスの利用が減少している。調査では、RIAAがファイル交換行為に警告を発した6月末以来、PtoPサービス利用は約15%減少したという。一方、StreamCastでは「利用者の減少はみられない」と述べており、KaZaAは「利用者数が増加した」としている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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