Apple Computerが4月末にオープンしたiTunes Music Storeで、何百万もの楽曲が飛ぶように売れるなかで、業界アナリストらは音楽ダウンロード小売事業に次に参入する可能性が高い企業として、Amazon.comに着目している。
Amazonの最高経営責任者(CEO)Jeff Bezosは、28日開催された同社の株主総会で、現在、新店舗開設の準備を行なっていることを明かした。Bezosは、その計画に音楽ダウンロードサービスが含まれているかどうかについてはコメントしなかったが、アイディアは「何年も前から」検討しているとReutersニュースに話している。
Amazonに電話でコメントを求めたところ、すぐに応対は得られなかった。だがアナリストらは、同社をAppleの競合相手となる可能性が最も高い企業として挙げている。
「Amazonは、オンライン小売ビジネスでは先駆者だ。同社はiTunes Music Storeを観察して成功の要因を検討し、音楽ダウンロードサービスに参入する価値があるかどうか判断する必要があるだろう」とJupiter ResearchのアナリストMichael Gartenbergは言う。
AppleのiTunes Music Storeは4月28日のオープン以来、これまでに300万曲を販売している。iTunesでの音楽の価格は、シングル1曲が99セント、フルアルバムが9.99ドルだ。現在同ストアの売上ペースは、オープン初日の約半分に相当する、1日約10万曲に落ちている。しかし同ストアは、オンラインでの海賊版音楽流通の傾向を一変させ、レコード業界改造をもたらす新たな音楽販売の方法として、期待を集めている。
ダウンロード販売がどれだけ普及し、利益をもたらすかどうかはまだ分からないが、音楽小売業者をはじめとするいくつもの企業は、この時流に飛び乗れるか、またそうすべきかどうかを検討中だ。しかし、Appleが早々に収めた成功を再現するのは容易ではないだろう。
Amazonが音楽ダウンロードサービスに参入するには、Ecastなどのサードパーティーと提携を結ぶのが、最も簡単な方法だろう。Ecastは一部音楽の配信権を獲得しており、すでにBest BuyやTower Recordsなどの小売店数社にダウンロードサービスを提供している。
しかし今までのところ、これらのサービスの売れ行きは芳しくない。こういったサービスがiTunes Music Storeの使いやすさに匹敵するためには、かなりのサービス改善が必要だろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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