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ネットのコンテンツに依存する米テレビ局の事情

2006/02/23 13:33
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 テレビ局にとっては残念なことだが、ウェブが長年「Lost」や「The Simpsons(シンプソンズ)」などのテレビ番組の違法コピーをダウンロードして観るためのプラットフォームとして利用されてきたことは、公然の秘密だった。

 しかし今度は、テレビの製作者側が、ウェブから集めてきたビデオクリップを元に新しい番組を製作することで立場の逆転を狙っている。

 この分野の草分けである「Bravo TV」は今週、ネット上で配信されている最も人気の高い短編ビデオを集めた「Outrageous and Contagious: Viral Video」という新しい30分番組の放送を開始した。このなかには、ゲイのカウボーイが登場する「Brokeback Mountain」という映画のパロディーや、George Bush大統領の失言集の映像も含まれており、NGを集めた昔のテレビ番組のデジタル版といえるものになっている。

 USA NetworksやFox、NBCの各局も、今後数カ月のうちに同様の番組を製作していく。また、ABC News Digitalでは、視聴者が携帯電話を使って撮影した映像を募集して、テレビのニュース番組を強化する計画を進めている。

 NBC UniversalのAndy Cohen(Bravo TV事業部番組製作担当バイスプレジデント)は、「自分の母親や甥だって(ネットの)ビデオをメールで送ってくるのだから、これがニッチなジャンルだとは言わせない」と語っている。

 インターネットから発想を得たこの番組は、待望のウェブと従来メディアのコンバージェンスにつながる新たな兆候だ。特に若い世代の視聴者は、あらゆるメディアのなかで平均して最も長い時間をネットに費やしている。そのため、テレビ番組のプロデューサーは、消費者の目をテレビに向け直させようと、ウェブの人気に便乗した新しい番組を探し求めている。

 今のこのような状況は、さまざまな要因が絡み合った結果生まれてきたものだ。アメリカの一般家庭にブロードバンドが浸透したことで、メディアリッチなネットエンターテイメントに対する需要が高まっている。また、低価格のビデオ機器や編集ソフトウェアの登場により、短編の映画/番組製作も容易になった。GoogleやBrightcoveなどが提供する新しいサービスを使えば、ビデオのアップロードや配布、販売までが容易にできてしまう。そして、テレビ局でも、このようなビデオをゴールデンアワーの視聴率獲得に役立てたいと考えるようになっている。

 テレビプロデューサーにとって、これは番組を安く製作するための手法の1つに過ぎない。昔の番組製作では、プロデューサーが多額の資金を事前に用意して試験番組を製作し、これを視聴者に向けて試写する必要があった。ところが今では、インターネット上を探して、すでに人気のあるコンテンツを集め、それをテレビ番組で流すということが可能になっている。このやり方なら、投じる費用も比較的少なくて済む。

 「これはまるで、テレビ局が新しい番組やそのコンセプトを考えてくれる低賃金の労働力を手にしているようなものだ」とStarcom Mediavest GroupのシニアバイスプレジデントTim Hanlonは述べている。

 メディアを取り巻く環境の分裂化が一段と進行するなかで、コンテンツ製作者は投資の対象範囲を広げ、「さまざまなジャンルで小規模なヒット作をたくさん」つくり出さなければならなくなっていると、BrightcoveのAdam Gerber(広告製品および戦略担当バイスプレジデント)は言う。「また、もっと効率のよい資金の使い方を見つける必要もある」(Gerber)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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