NTTデータは11月16日、電気自動車(EV)の充電インフラサービスの実証事業実施に向けた検証を行うと発表した。検証期間は2010年1月〜2月で、14の企業および自治体と連携し、東京、神奈川、大阪の23拠点の充電設備と150台のEVを利用して実施する。
この検証は、経済産業省 資源エネルギー庁が推進する「平成21年度(2009年度)電気自動車普及環境整備実証事業」に向けた取り組みの一環となる。
EVの普及促進には、EVの利用者が安心して走行できる充電設備が必要だが、企業や自治体が個別に設置した充電設備を相互利用する仕組みが確立されておらず、インフラとして利用されにくい状況だ。そこでNTTデータは、「各企業や各自治体が個別に保有している充電設備をネットワークでつなぎ、EV利用者がシームレスに充電設備を利用できる環境を構築したい」としている。
今回の取り組みで検証する内容は、利用者認証機能や企業間での精算機能の確認、そしてEV利用者の情報分析だ。
まず、充電設備に対して、通信モジュールや非接触型ICカードリーダライタを付加し、充電サービスセンターと通信して利用者認証や企業間精算ができるサービスを提供する。また、共通インフラ化された充電設備であればどこでも充電可能な環境を作った上でEV利用者にICカードを提供、充電設備を使用する際にICカードで利用者認証してもらうことで、どの利用者がどれくらいの時間EVを利用し、どの程度の充電が必要だったかという情報を取得してさまざまな利用形態を分析する。
各連携企業と自治体の役割としては、まずNTTデータが事業のとりまとめと、充電インフラのネットワーク化をはじめとする情報システムを提供し、ローソン、スリーエフ、NTTル・パルクなどが共通インフラ化された充電設備を提供する。また、ローソン、スリーエフ、東京電力、テルウェル東日本、神奈川県、横浜市などがEVを提供し、全国石油商業組合連合会、一般社団法人太陽経済の会、日本コアパートナー、NTTファシリティーズ、日本カーソリューションズ、大丸有地区・周辺地区環境交通推進協議会などが充電インフラサービスと今後の環境活動に向けた取り組みを実施する。
NTTデータでは、2009年度から2013年度の中期経営方針における重点施策として「環境志向経営」を掲げており、NTTデータグループが提供する事業を通じた社会全体の環境負荷低減を目指している。同社では、「今後も電気自動車を利用する企業や個人が、安心かつ便利に利用できる充電設備の社会インフラ化を目指し、低炭素社会の実現に貢献する」としている。
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