ロサンゼルス市の最高情報責任者(CIO)であるRandi Levin氏は米国時間8月11日、情報テクノロジ委員会の公聴会の席で、ロサンゼルス市がオンラインアプリケーションスイート「Google Apps」を採用すべき根拠を、市議会議員に対して力説した。
Levin氏は「時間やデバイス面での制約に縛られることなく、市当局が必要とするあらゆる情報を入手できるようにすることは、市の働きを大きく変化させるものとなり、非常に生産性を高めるものとなるだろう。財政危機において、こうした目的を達成するテクノロジソリューションを、大幅に資金を取り分けることなく節約を図りながら見出すことは容易でない」と述べた。
セキュリティ面での懸念が、これまで多くの政府機関や大企業にGoogle Appsの採用を見送らせてきた。だが、それも変わりつつある。米国内の小さな都市では、Google Appsを採用するケースが増えてきており、複数の連邦政府機関でも試験的にGoogle Appsの利用が進んでいる。もしロサンゼルス市が採用を正式に決定すれば、コロンビア特別区とともに、米国の行政機関では最大規模の採用事例となるだろう。
往々にして他の州や連邦政府機関のセキュリティ専門家らは、外部の企業に対して、非常に機密性の高いデータの保存管理を委託することに及び腰である。
ロサンゼルス市の方針に関しても、反対意見の説得が必要不可欠となってきた。議員で情報テクノロジ委員会の一員であるTony Cardenas氏や、ある警察当局のトップは7月に、警察の捜査に関わる重要機密データが何らかの形でGoogleの統制下に置かれるならば、その漏洩が大いに懸念されるとまくし立てた。Cardenas氏はAssociated Pressに対して、「現在警察で進められている捜査の内容をつかむため、麻薬カルテルは金を惜しまないだろう」と語っている。
こうした懸念は、とりわけTwitterの社員の電子メール管理に問題があり、Yahooの簡単なパスワードリセットメカニズムの裏をかいて、Google Appsに保存されていたTwitterの複数の機密ドキュメントへとハッカーがアクセスした事件によって浮き彫りにされた。
この事件の本質は、Google Appsのセキュリティレベルに何ら疑問を投げかけるものとならないものの、クラウドコンピューティングサービスについて見直そうとする動きを誘発するものとなった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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