Red Hatは米国時間6月9日、同社の支援するオープンソースプロジェクトFedora Projectが開発者向けLinuxディストリビューション「Fedora 11」をリリースしたことを明らかにした。Fedoraは、Red Hatの旗艦製品「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)に盛り込む機能をテストする場ともなっている。
このLinuxディストリビューション新版(開発コード名「Leonidas」)は9日からダウンロードが可能になった。電子メールクライアントから「Microsoft Exchange」へのネイティブアクセスが可能になる「OpenChange」も含まれている。この技術には、MicrosoftのMAPI(Messaging Application Programming Interface)のオープンソース版を利用している。
また、コンソールのアップグレード、新設計のゲスト仮想マシン新規作成ウィザード、ゲストに対するSELinuxサポートなど、複数の仮想化機能が改善されている。その他の新機能では、指紋認証装置のサポートが向上したほか、デフォルトでext4ファイルシステムが採用されている。
Red HatによるとFedora 11では、開発者がLinux環境のままでWindows用ソフトウェアを開発できるWindowsクロスコンパイラ「MinGW」が提供されている。
Red HatのコミュニティーアーキテクチャチームのマネージャーMax Spevack氏は、ZDNet UKの取材に対し、次のように述べた。「ユーザーおよび開発者コミュニティーは(これで)オープンソースソフトウェアに影響力を持ち、卓越した開発力によって革新を目指すことができるようになる」
Spevack氏はさらに、「起動プロセスにも引き続きかなり手を加えた。Fedora11では、大半のユーザーが一貫して約20秒で起動できる」と付け加えた。
エンドユーザーにとっては、「MIME」タイプの自動検知機能や強化されたボリュームコントロール機能が役に立つ。前者はファイルの種類がよく分からない場合でも、そのコンテンツを扱えるアプリケーションを自動的に検知する(ユーザーが希望すればインストールも行う)機能だ。後者は、音声を扱う際のユーザー体験をシンプルなものにしてくれる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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