「Windows 7」については、多くのことを耳にしてきたものの、その新機能などを活用したソフトウェアおよびハードウェアに関しては、これまであまり伝わってこなかった。
だが、その状況にも、変化が生じ始めている。
タッチスクリーンメーカーのN-trigは今週、Windows 7のマルチタッチ機能を活用した、さまざまなサードパーティー製のソフトウェアプログラムを披露した。一方、Microsoftのハードウェア部門も、キーボードおよびマウスの製品ラインアップで、Windows 7の新たなタスクバーやサムネイルプレビュー機能などをサポートする方針を明示した。
Microsoftは、同社製品群のベータ版のドライバが、現在提供中であり、7月下旬には、正式版のドライバがリリースされる予定であると述べている。
ソフトウェア分野においては、N-trigが今週、テキサス州サンアントニオで開催のディスプレイ関連のカンファレンスにて、Windows 7のマルチタッチ対応のアプリケーションを多数展示した。さらに、Microsoftは、3つのカジュアルゲームや、同社の「Surface」テーブルトップコンピュータから移植された3つのプログラムなど、Windows 7向けの無料のタッチ対応プログラムを収めた、独自のパッケージ製品を発表した。
N-trigのバイスプレジデントであるLenny Engelhardt氏は、電話でのインタビューにおいて、「非常に多くの製品サービスが開発中である」と語った。N-trigが紹介したアプリケーションには、FingerTappsのフォトブラウザ、SpaceClaimのマルチタッチ3Dデザインプログラムなどが含まれている。また、Corelは、2009年後半に、マルチタッチ対応のプログラムを複数リリースする予定であることを明らかにしたものの、その詳細に関しては、何ら情報を公開しなかった。
CorelのエグゼクティブバイスプレジデントであるJoe Roberts氏は、「Windows 7や、そのタッチ機能は、クリエイティブなソフトウェアにおけるコンシューマーエクスペリエンスを高める上で、当社のソフトウェアデザイナーに、格別の機会をもたらしてくれた」との声明を出している。
単に好奇心から眺めるのではなく、実際に消費者が、進んでお金を支払ってマルチタッチを購入するようになるには、魅力的なソフトウェアをそろえることが、非常に重要となる。タッチスクリーンは、そのスクリーンサイズにもよるが、およそにして100ドル以上ものコストが、システムに余分に加わることになる。
Engelhardt氏は「この現在の経済情勢では、本当にすばらしい、魅力あふれるアプリケーションがそろわない限り、新たなハードウェアの購入へと、人々が動くことはないだろう」と述べた。
Hewlett-Packard(HP)とDellは、すでにWindows 7のリリース前に、マルチタッチ対応の製品を出荷してきたものの、Engelhardt氏は、10月にWindows 7が発売された後は、ほとんどすべての主要なハードウェアおよびソフトウェアメーカーが、何らかのレベルでタッチ機能をサポートすることになるだろうとの予測を明らかにした。
「だれも取り残されてしまいたくはないからだ」と、Engelhardt氏は語っている。
タッチ対応製品は、PC市場全体において、小さな部分しか占めないと見られるものの、Engelhardt氏は、少しのデスクトップPCと、数えるほどのタブレットPCのみでサポートされている現在の状況からは、大きく市場が拡大すると考えていることを示した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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