クラウドコンピューティングに向けたIntelの新たな攻勢の支柱を担うのは、新しい「Nehalem」サーバとなるだろう。それは、同社が膨大な数のサーバを備えた大規模データセンターを重視しているためだ。
Intelは米国時間2月17日、クラウドコンピューティング戦略に関する電話会談で、2009年のIntelのクラウドコンピューティングへの取り組みは、近く登場する予定のNehalemテクノロジを利用した新しいサーバが中心となると語った。NehalemはIntelの新しいチップアーキテクチャで、現時点では「Core i7」デスクトッププロセッサのみに使われている。
Intelにとって大規模データセンターは大規模な成長の可能性を意味する。世界最大の半導体メーカーであるIntelは、2012年までに大規模データセンターへのサーバ出荷は20〜25%になるとみている。Intelによれば、現在サーバ市場における大規模データセンターの割合は10%ほどだという。
では、Intelにとってクラウドコンピューティングとはいかなるものだろうか。Intelのサーバプラットフォームグループの高密度コンピューティング担当ゼネラルマネージャーであるJason Waxman氏は、膨大な数のサーバを備えた大規模データセンターを対象としたクラウドアーキテクチャであり、「自動的にバランスを調整でき、自動的にリサイズし、規模が拡大、縮小される」ものだと言う。「サービスはステートレスだ。つまり、いつも同じサーバではない。常に決まったサーバにアクセスしているとは限らない」(Waxman氏)
Intelの目標は、膨大な数のサーバハードウェアの歯車をうまくかみ合わせることだ。「最適化が鍵となる。サーバの数が膨大になると、1台1台のサーバが、1Wごとの消費電力が、ネットワーク接続の1つ1つがコストを表す」と同氏は言う。
Waxman氏は、まもなく登場するNehalemシリコンは、Intelの大規模データセンターへの新たな攻勢の先駆けとなると述べる。同氏はまた、「われわれのクラウドコンピューティングインフラストラクチャ向けに最適化された、Nehalemベースのマザーボード用サーバを設計した」と語った。同氏の話では「Willowbrook」マザーボードが今四半期中に発表されるという。
Willowbrookは「非常に効率良く電圧を制御する」よう設計されている、とWaxman氏は語る。さらに「マザーボードのレイアウトを最適化」し、マザーボードボード内の空気の流れの効率が高まった。同氏は加えて、「待機時消費電力」も削減したという。これは大規模データセンターにとって極めて重要なものだ。「消費電力を抑えることができた。待機時、標準的なNehalemプラットフォームは110〜115Wの電力を消費するが、それを85W以下の範囲まで下げることに成功した」(Waxman氏)
全体的に見て、最適化および省電力は結局コストの問題だ。大規模なクラウドサービスのプロバイダーでは、トータルコストの50%がコンピュータインフラストラクチャであるサーバとストレージ、25%が電力供給および冷却にかかっていると同氏は言う。「(総所有コストの)75%がコンピュータ、電力、冷却だ。Intelはこれに焦点を合わせる。サーバを最適化し、できる限りサーバの消費電力を抑える」
Intelはサービスプロバイダーにはならないが、顧客がIntelのクラウドコンピューティングテクノロジを活用できるようにしたい、とWaxman氏は繰り返し述べた。「われわれはサービスプロバイダーになろうとしているのではない。だが、この中核技術と専門知識のすべてを結集する。クラウドを理解し、それを最適化する能力だ」
Waxman氏はサービスプロバイダーとしてSalesforce.com、IBM、Microsoftを引き合いに出し、主要企業が提供する、包括的なクラウドコンピューティングサービス製品の多くがまだ稼働に至っていないことから、「クラウドコンピューティングは西部開拓時代のフロンティアのようなものだ」と言い添えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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