Microsoftがロボット開発者向けのバーチャルコンテストを開催する計画を発表した。盛り上がりを見せつつあるロボティクス(ロボット工学)分野、および同社のロボット開発者向けソフトウェアの最新版に対する注目を集めるのが狙いだ。
Microsoftは米国時間4月9日、ピッツバーグで開催された「RoboBusiness Conference and Exposition」に出席し、同社のロボット開発者向けソフトウェア「Microsoft Robotics Studio」の最新版を2008年内にリリースすることを明らかにするとともに、ロボティクス分野での新たな業界パートナー、およびロボット開発者のバーチャルコンテスト「RoboChamps」シリーズの開催予定を発表した。2008年内にリリースされるという最新版は、同社のロボット開発プラットフォームの3代目にあたり、初代製品から3年を待たずに3代目がリリースされることになる。
Microsoftでは、ロボット開発全般の基盤となるソフトウェアを提供することで、成長を見せる一般消費者向けロボット業界のあらゆる分野で中心的役割を担いたいと考えている。今回のコンテストの開催も、この狙いを示すものだ。
「ロボット工学は、これまで産業分野のものだった。しかし、ここへ来て投資家たちは(消費者向け)ロボティクスに真剣な目を向けるようになってきた。今回のコンテスト開催は、われわれがこの分野にかなりの力を入れていることの表れだ」と、Microsoftでロボティクスグループのゼネラルマネージャーを務めるTandy Trowers氏は、取材に対して述べている。
Trowers氏は、Microsoftがこれまでにロボット工学の分野に注ぎ込んだ費用については明らかにしなかったが、同氏は現在、約12人を擁するロボティクスチームを率いていると述べた。また、これから1年のうちに同チームの予算が2倍になる計画だと、同氏は説明した。
ロボティクス分野を強化しているのはMicrosoftだけではない。たとえば、同分野の新興企業Willow Garageも、人間型ロボットやロボットカー用のオープンソースプラットフォームを開発し、Microsoftと同様に、開発者の関心を惹きつけようとしている。Willow Garageは、Googleの初期のアーキテクトScott Hassan氏が設立し、支援している企業だ。
一方、Microsoftが開発したロボット開発用プラットフォームは、いかにも同社らしく「Windows」をベースとしており、実物であれシミュレーションであれ、比較的簡単にロボットをプログラムできるよう設計されている。同ソフトウェアは、iRobotの「Roomba」やLego Mindstorms NXT の「TriBot」など、複数の異なるハードウェアと互換性を持ち、新しいことを試してみたいと考えるガジェット愛好者が、通信や警告の発信、あるいはスケジュール化された作業をこなす機能などをデバイスにプログラムできるようになっている。
(同ソフトウェアは、趣味または研究目的で利用する場合には無料だが、企業が営利目的で使用する場合は、399ドルの商用ライセンス料が必要になる)
同ソフトウェアの最新版は9日、プレビュー版がリリースされたが、(たとえば車輪に装着された)センサーやアクチュエータなどの異なる部品間の通信速度が、これまでより2ないし3倍高速になるよう作られているという。
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