企業向けウェブアプリケーションを手がけるSalesforce.comにとって、このホリデーシーズンは祝福すべきものとなりそうだ。同社は、有償ユーザー数が2007年中に節目の100万人を突破する見込みであることを明らかにした。
Salesforce.comの会長兼最高経営責任者(CEO)、Marc Benioff氏は声明の中で「有償ユーザーが50万人に達するまで7年かかったが、それからわずか16カ月で次の50万人を獲得できた」と述べた。さらに同氏は「これは信じられないほどの勢いで、世界中のあらゆる規模の企業で採用が進んだことを意味する」と語っている。
Benioff氏は、米国時間12月5日にニューヨークで記者会見を開き、さらに詳しい報告を行う予定だ。また、100万ユーザー達成を記念して、Salesforce.comは10の非営利組織に合計100万ドルの寄付を行う。対象となる団体は、Acumen Fund、Bridge School、Bronx Lab School、Endeavor、Kiva、Room to Read、San Francisco Connect、San Francisco General Hospital、Tibet House U.S.、TransFair USAだ。
これに加え、大胆な動きを続けるSalesforce.comは、5日のニューヨークで開く記者会見で新しいソフトウェア製品を発表する予定だ。これは「Salesforce to Salesforce」と名付けられた新しいソフトウェア機能で、同社サービスを利用する企業と、すでにSalesforceアカウントを持つ他の企業を結ぶものだ。この機能はソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のモデルを採用しており、所定の費用を支払うと、ユーザー企業は他の企業を「招待」し、Salesforceのデータを共有したり、「企業間のコラボレーション」に参加したりすることが可能となる。価格は1接続あたり年間1200ドルだ。
「Facebookが個人と個人の結びつきに大変革をもたらしたのと全く同じように、Salesforce to Salesforceは、企業同士が連携し、ビジネス情報を共有するやり方を根底から変えるものだ」と、Salesforce.comの製品およびマーケティング担当エグゼクティブバイスプレジデント、George Hu氏はリリースの中で述べている。Salesforce.comは、GoogleのSNS向けAPI「OpenSocial」開発プロジェクトのメンバーでもある。
Salesforce.comでは、この新機能はBtoB市場できっと歓迎されるだろうと考えている。同社では、市場調査会社のIDCが発表した統計を引用し、BtoB統合インフラストラクチャが貧弱なために生じた損失は2006年の時点で30億ドルにのぼるとの推計を示した。その理由として同社は、こうしたインフラストラクチャが「高コストで複雑な上に拡張性に欠けるため、失敗するケースが多い」点を挙げている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」