MicrosoftはOfficeの文書ファイルフォーマットを標準化する最初の取り組みでつまずいた。
同社は国際標準化機構(International Organization for Standardization: ISO)の「早期承認手続き」の制度を利用してOffice Open XML(OOXML)を標準化しようと試みていた。
現地時間9月4日にISOが発表した声明によると、草案として提出されている標準規格は「必要な得票数を得られなかった」という。投票手続きは9月2日に終了した。
投票集計では、Open XMLはISOの「積極参加国」から必要な3分の2の得票を得られなかった。
非常に注目を集めた今回の投票では、Microsoftの支持者やライバルによる強力なロビー活動や政治活動が見られた。Microsoftは、同社製品をプロプライエタリな製品であるとして敬遠する企業や政府機関の不安感を払拭するために、自社の文書フォーマットに対する標準化団体のお墨付きを求めている。
ただし、文書フォーマットが標準化団体ではなくてMicrosoftの管理下にあると、組織間でデータを交換したり、後日、古いデータにアクセスしたりするのが困難になりかねないと不安視する向きもある。
標準化の手続きに詳しい関係者によると、Microsoftにとって今回の挫折はOffice Open XML標準化への取り組みの終了を意味するわけではないという。
次の段階では、OOXMLの仕様を担当するマネージャーたちが投票に添付された技術的なコメントに対処する。そして、Microsoftは提案を修正して再提出することができる。ISOによると、この手続きは2008年2月にジュネーブで開始されることが予定されている。
ISOによると、再提出されたMicrosoftの修正案がISOの参加国を納得させられない場合は、「提案は承認を得られず、今回の早期承認手続きは終了する」という。
米国時間9月4日、MicrosoftはISOの投票参加国の74%がOpen XMLの承認を「支持した」との声明を発表した。
「今回の予備投票はOpen XMLフォーマットが世界中で広く採用され、何百万人ものユーザーが利益を得られるようになるための重大な一歩だ。今回、心強い結果が得られたことを考えると、2008年初頭に実施される最終の投票集計ではOpen XMLがISOの標準規格として承認されると信じている」と、Microsoftで標準規格と相互運用性を担当するジェネラルマネージャーのTom Robertson氏は声明で語っている。
標準規格の専門家で対立するOpenDocument規格を支持する弁護士のAndrew Updegrove氏は、Microsoftの声明について承認に必要な得票数に達しなかったことを「遠回しに認めた」ものだと解釈している。
米国時間9月4日、Open XMLのISO承認を支持するロビー団体のComputing Technology Industry Associaton(CompTIA )は、ISOの投票集計結果は一歩後退だが、OOXMLの標準化の取り組みに対する最終的な回答ではないと発言した。
「9月2日のISOの投票集計結果を伝える今日のニュースを聞いてCompTIAは落胆しているが、あきらめてしまったわけではない」とCompTIAのEUパブリックポリシーのグループディレクターを務めるHugo Leuders氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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