NECは6月4日、リアルタイム地球磁気圏シミュレーションシステムに使用されるスーパーコンピュータ「SX」シリーズの「SX-8R」6台を、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)に納入したと発表した。
リアルタイム地球磁気圏シミュレーションシステムは、太陽活動の活発化による地球周辺の磁気圏の乱れや磁気圏内の擾乱などの予測を目的として、NICTと九州大学が共同で開発したシステム。太陽風衛星データを利用し、3次元シミュレーションによる地球磁気圏の全体像を、リアルタイムで常時モニターできるようになっている。
今回、NICTに納入されたSXシリーズは、最大ベクトル性能1.536テラFLOPSの演算能力を有するスパコン。SXシリーズの導入により、シミュレーションの高速化を実現し、実際の物理現象の変動に追随した計算が可能になった。また、計算結果をスパコン上でシミュレーションと同時進行で可視化(映像化)するNEC製ソフトウェア「RVSLIB」を利用することにより、物理現象のリアルタイムでの分析が可能となった。
同システムにより、太陽から地球までの宇宙空間における擾乱の発生とその影響の解明に取り組むことで、より正確で定量的な磁気擾乱の予測、いわゆる宇宙天気予報が可能となり、磁気擾乱による人工衛星の運用障害などの被害の軽減のために役立てることができるとしている。
なお、同システムにより可視化された画像は、NICTのウェブサイト上で公開されている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」