サンフランシスコ発--Advanced Micro Devices(AMD)はチップ市場で再びIntelとの戦いに挑む準備を整えているが、Intel側もそれに応じる構えだ。
AMDは米国時間5月21日、当地において報道陣やアナリストらに対して、同社の4コアサーバチップ「Barcelona」(開発コード名)を披露し、その性能をAMDのデュアルコアプロセッサ「Opteron」の1つと比較して示した。AMDでサーバおよびワークステーション担当コーポレートバイスプレジデントを務めるRandy Allen氏によると、同社がBarcelonaの性能に関する情報を、サーバ提携企業や社内関係者以外に公開するのは初めてのことだという。
Allen氏は、同社は2007年中盤にBarcelonaの大量出荷を開始する予定であると述べた。同氏によると、サーバベンダーにはすでに同4コアチップのサンプルが届けられており、システムは第3四半期から出荷開始される予定であるという。
Barcelonaは、AMDのサーバプロセッサ価格を安定化させることにより収益性を以前の水準に戻すための、同社の現在の望みの綱である。AMDは、2006年11月から市場に提供されているIntelの4コアサーバプロセッサに対抗するために、同社のデュアルコアプロセッサOpteronの価格を著しく低下させざるを得ない状況に追い込まれていた。
Barcelonaは、4基のプロセッサコアが同一チップに搭載されているため、Intelの4コアチップ「Xeon」以上の性能を発揮する可能性がある。Xeonはこれまで、高性能なサーバを求める顧客を引きつけてきた。Intelが最初に発表した4コアプロセッサでは、AMDよりかなり早く市場に送り出すために、2基のデュアルコアチップを単一のパッケージに搭載する方法を採用していた。AMDはその設計では洗練されておらず、Intelのメモリ帯域幅の問題を解決することはできないと主張している。
それでもIntelは、AMDがまだ4コアチップを提供できない現在、それを市場に提供している。それまでの間、AMDは、Barcelonaの開発を進めつつ、その性能を宣伝してきた。
AMDは、2台の4ソケットサーバの性能を比較するデモを披露した。2台のマシンにはそれぞれ、4コアチップBarcelonaとデュアルコアチップOpteronを搭載していた。デモでは、画像処理ベンチマーク「POV-Ray」を用いたチップ性能を測定し、結果は予想通り、4コアチップの方がデュアルコアチップよりも早くタスクを終了した。
4コアチップは、画像レンダリングにおいて1秒あたり約4000ピクセルを処理するのに対し、デュアルコアチップでは1秒あたり約2000ピクセルしか処理できなかった。Allen氏は、Barcelonaは出荷時にはさらに高速なクロック速度で稼働する予定だと述べたが、その速度の具体的な数値は明らかにしなかった。
AMDは、Barcelonaの性能をIntelの4コアプロセッサ「Clovertown Xeon」とは比較しなかったが、Allen氏は、Barcelonaは「市場における最高性能の『x86』チップとなるだろう。Clovertownとは比較にならないほど高性能になる予定だ」と述べた。
しかし、AMDのBarcelonaが登場後まもなくして、Intelは次世代プロセッサ「Penryn」(開発コード名)を発売する計画だ。同プロセッサは現行のチップから大きく改善される予定だという。Allen氏は、IntelがPenrynに関するベンチマーク結果を公表していないため、同プロセッサとBarcelonaの性能差を比べることができなかったと述べる。
Intelは、4月に北京で開催されたIntel Developer Forum(IDF)で、Penrynチップに関する複数の性能結果を発表している。しかし、Intelの関係者は、これらは予備段階の結果で、ベンチマーク機関によって発表されたものではないと述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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