ウィルコムとウィルコム沖縄は4月16日より、モバイル端末と企業内のグループウェアシステムを簡単に連携するサービス「WILLCOM Sync Mobile」を開始する。企業メールをプッシュ型で配信するほか、スケジュールなどの情報をリアルタイムで同期、更新する。
Microsoft Exchange ServerやLotus Notes Domino Serverなどのグループウェアを利用している企業が対象。これまで同様のシステムを実現するには専用サーバを用意したり、複雑な設定をしたりする必要があった。WILLCOM Sync MobileはExchange ServerやLotus Notes Domino Serverに接続したサーバに専用のソフトウェアをインストールするだけでモバイル端末からスケジュールの更新やメールの送受信ができる。
「会社アドレスでメールが送れない、セキュリティ面で不安、導入コストがかかるといった問題を解消できる」とウィルコム ソリューション営業副本部長の青木伸大氏は自信を見せる。
シャープ製のW-ZERO3シリーズを利用しているユーザーであれば、グループウェアに届いたメールはプッシュ型で配信され、端末に搭載されたOutlookから確認できる。また、W-ZERO3シリーズのうち「WS004SH」「WS007SH」であれば、遠隔から端末を初期化できるため、万が一なくした場合でも端末内の情報が流出する危険がなくなる。W-ZERO3シリーズ以外のブラウザ搭載端末は、ブラウザ上でメールの送受信等を行う。
インテリシンクのIntellisync Mobile Suiteという同期技術を利用して実現した。Mobile SuiteはVerizon Wirelessなどの海外の通信事業者が採用しており、全世界で120万人のユーザーがいるという。国内の通信事業者ではウィルコムが初めてとなる。
料金は1電話番号あたり月額1800円。中堅中小企業を主なターゲットとしており、大規模なシステム構築が必要ない点を売り込む。
インテリシンクではこれまでシステムインテグレーターを通じて、同様のシステムを販売していた。ただしシステムインテグレーター経由の場合は50ユーザー以上に限定していたため、部門だけで導入したいといった小規模のニーズを拾いきれていなかった。「システムインテグレーター経由の場合、2年償却と仮定すると月額1人あたり2000〜2500円くらいの費用がかかる。こういった点を見ても、今回のサービスは利便性が高いのではないか」(インテリシンク副社長 営業・マーケティング担当の井手龍彦氏)
ウィルコムの全契約者のうち、法人の占める割合は46%と半分近くを占める。ただし、現在はPCカードを利用している法人顧客や、音声利用を中心とした企業が多く、W-ZERO3を利用している顧客は数万人にとどまる。ウィルコムでは今回のサービスを皮切りに、Windows Mobileを活用した法人向けサービスに力を入れていく方針だ。
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