GNU General Public License version 3(GPLv3)のドラフト第3版に、ソフトウェアプロバイダー間での特許契約について、ライセンスの規定を強化する条項が盛り込まれた。
The Free Software Foundation(FSF)は米国時間3月28日、GPLv3のドラフト第3版を予定通りウェブページに掲載した。
2006年7月に公開されたドラフト第2版に対して、MicrosoftとLinuxベンダーのNovellが交わした、Microsoftが「SUSE Linux」の利用者を特許侵害で訴えないという合意に関して対応するための変更が加えられている。
FSFの責任者を務め、GPLの主な著者でもあるRichard Stallman氏は3月28日に声明で「MicrosoftとNovellが最近交わした特許合意は(ソフトウェアユーザーの)自由を衰退させることを目的としている。ドラフト(第3版)では、そのような契約によってフリーソフトウェアが台無しになることを防ぐため、大いに努力した」と述べた。
NovellとMicrosoftは3月28日、GPLv3のドラフトに追加された特許契約条項が両社のパートナーシップを妨げることはないと発表した。
Microsoftの知的財産およびライセンス担当バイスプレジデントであるHoracio Gutierrez氏は声明で、「残念なことだ(中略)FSFはGPL3を、将来産業界のリーダーたちが連携を強化し、顧客に利益を提供するのを妨げるために利用しようとしている」と述べた。
Novellは、オープンソースソフトウェアプロジェクトへの参加を継続し、Microsoftとのパートナーシップも維持するとしている。
Novellの広報担当であるBruce Lowry氏は、「GPLv3の最終版がMicrosoftとの合意に影響を与えるようなことがあれば、Microsoftと協力してこれを解決する」と述べた。
FSFはドラフト第3版の補足文書で、追加する特許条項が商業的合意すべてを対象にするのか、将来的に結ばれるもののみを対象にするのか、まだ決定していないとしている。後者が採用されれば、NovellとMicrosoftの既存合意は認められる。
GPLの基本的な考え方は変わっていない。GPLソフトウェアは誰でも、利用、変更、再配布できるが、再配布者は変更を加えた部分すべてを公開しなければならない。
GPLv3では特許の扱いも変更されている。以前のドラフトでは、GPLソフトウェアを配布する組織に、そのソフトウェアに関連する特許の権利を許諾するよう求めていた。今回のドラフトでは範囲が狭まっており、貢献した部分のみに関して特許権を許諾するように配布する組織に求めている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」