フラッシュメモリメーカーのSanDiskが、フラッシュメモリを搭載した新しいソリッドステートドライブ(SSD)「SanDisk SSD SATA 5000 2.5"」を発表した。コストも多少下がってきたようだ。
この新しいSSDは、容量が32Gバイトで、大きさ、形状ともに2.5インチ型ハードディスクドライブ(HDD)と同等になっている。SanDiskは2007年に入ってから、32Gバイトの1.8インチ型SSDを発表した。大半のノートPCには2.5インチ型ドライブが搭載され、1.8インチ型ドライブは、MP3プレーヤーに使用されるのが一般的になっている。
SanDiskは、この2.5インチ型SSDを、業者向けに1台当たり350ドルで販売している。この価格は、32GバイトHDDと比べるとコストは大幅に高いが、それでもSanDiskが先に発売した1.8インチ型SSDに比べればコストは低くなっていると同社は語る。同社の1.8インチ型SSDは32GバイトHDDに比べ600ドル以上もコスト高になる。
この価格下落の原因は、フラッシュ業界全体が大幅な価格引き下げを行ったことにある。フラッシュメモリの好調な売り上げが数年続いた後、2006年8月にフラッシュメーカーにとっての悪い知らせが突如浮上し始めた。当時発表された複数の報告書から、フラッシュの売り上げが鈍化しており、フラッシュの価格が予想を上回る早さで下落していることが明らかになった。供給が増加し始める一方で需要は横ばいだったため、価格は下落し始め、これまでの下落幅42.7%を上回る60%に達した。
SanDiskやMicron Technologiesといったフラッシュメモリメーカーは、フラッシュベースのドライブを製造する計画を立て、今後数年間でHDDに代わってノートPCに搭載され始めることを目指してきた。フラッシュメモリは、HDDに比べ信頼性が高く、より小さな場所により多くの情報を保存できるため、ノートPCメーカーは、自社製品の小型化が可能になる。現在、フラッシュメーカーは、既存のノートPCに適合する1.8インチ型と2.5インチ型の2種類のドライブを製造している。
また、フラッシュメモリはHDDに比べ消費電力も少ない。
ただ、フラッシュメーカーにとって残念なのは、フラッシュメモリはHDDに比べコストが大幅に高いことだ。HDDの小売価格は、1Gバイト当たり50セント未満であるのに対し、フラッシュカードの1Gバイト当たりの価格はおよそ20ドル程度だろう。ちなみに1テラバイトHDDの小売価格はおよそ500ドルとなっている。1テラバイトHDDは、容量の大きさではSanDisk製32GバイトSSDの31倍だが、価格はSanDisk製ドライブよりも安い。
一部のアナリストによると、卸売市場では、フラッシュメモリの価格はHDDの7〜8倍だという。
ノートPCメーカーは、ユーザーが映像や音楽を保存できるよう自社のノートPCに80Gバイトや120GバイトのHDDを搭載しているが、それらに匹敵する保存容量を備えたフラッシュをノートPCに搭載すれば、ノートPCの大幅な値上げは避けられない、とHDDメーカーらは指摘する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」