NTTコムウェア開発のデジタルペンゲートウェイが教育機関で実証実験

 NTTコムウェアは2月13日、同社が開発し、NTTコムウェア東海が商用化した「デジタルペンゲートウェイ」システムが、北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科國藤研究室の「生徒参加型授業支援システム」研究グループに採用されたことを発表した。國藤研究室の研究グループでは2月末から、生徒参加型授業の効果を検証するために、デジタルペンゲートウェイを利用した授業システムの実証実験を、高校などの教育機関で開始する予定。

 國藤研究室のグループは、文部科学省科学研究費補助金特定領域研究「新世紀型理数系教育の展開研究」に「創造性を育む実世界指向教育支援システムの研究」として参加しており、集団授業において個々の学習者の活動を集約し積極的に教師にフィードバックする「生徒参加型インタラクティブ授業」について研究を行っている。

 これまでは、超音波方式のペンとPDAを生徒に配布し、PDAの無線通信機能を利用した方法で実証実験を行っていたが、PDAとペンのセンサー部をケーブル接続する作業や、プリント用紙を交換するたびに行う位置あわせなどが生徒の負担になっていた。

 このため、接続作業が不要で複数枚のプリントを自動的に認識できるアノト方式デジタルペンと、無線による通信を利用して、生徒人数分約40本程度のデジタルペンのデータを集約可能なデジタルペンゲートウェイの採用に至った。アノト方式デジタルペンは、ペンに内蔵されたカメラで専用紙に印刷された特殊なドットパターンを読み取り、その座標から手書きの文字や絵を記録するユーザーインターフェース。

 今回のデジタルペンゲートウェイは、アノト方式デジタルペン専用のアクセスポイントで、デジタルペンとはBluetoothで通信しており、複数のペンから無線同時通信ができるほか、ケーブルで接続する必要がないため、デジタルペンを自由に持ち運ぶことができ、通常のペンと同様の使い方ができる。教育分野や会場アンケート、お客様窓口業務など、同時に複数のペンを利用する業務に適しているという。

 NTTコムウェアでは今後、今回の実証実験結果を踏まえ、学校や塾での利用など、教育現場において幅広く活用されるよう同システムを改善するとしている。

 なお、國藤研究室の研究グループでは、2月16日、17日に日本科学未来館で行われる「新世紀型理数系教育の展開研究 研究成果報告会」において「生徒参加型授業支援システム」の教材デモ展示を行う。

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