日立製作所は7月2日、デジタルペンを使って書類記入が行える業務システムを体系化し、販売すると発表した。名称は「デジタルペンソリューション」。デジタルペンやデジタルペーパーなどの製品群と、ソフトウェアを組み合わせ、「導入から運用までをトータルに支援する」(同社)。
行政機関の申請書類処理業務、銀行の窓口業務や現場調査、水道・ガスの点検業務などに向け、7月3日から販売を始める。日立では2005年までに5億円を売り上げるという目標を掲げている。
デジタルペンと記入用紙にデジタルペーパ―を使用することで、手書きながら、コンピュータへの情報入力が直接可能になる。デジタルペン、デジタルペーパーはスウェーデンのAnotoが開発した製品を用いる。同製品は、デジタルペーパーに書き込んだ文字や絵のイメージデータをデジタルペンの内部メモリに記録する機能を備える。A4サイズ40枚程度の情報を保持できるので屋外で使用することも可能となる。
従来のデジタルペンは、主に個人利用向けに開発され、ペンで書いた文字や絵のイメージデータをパソコンに取り込み、メモやメールの添付データとして利用するのが主流だった。
日立はこれを基幹業務システム向けに拡張した。用紙の種類を判別して記載された内容を認識、文字をテキストデータに変換して自動的に業務システムにつなげられるようにした。これにより、さまざまな帳票を取扱う、行政機関や民間企業の業務に利用可能という。
デジタルペンソリューションでは、Anotoと共同開発したデータ振分けソフトウェア「Enterprise Paper Look-up Service」(EPLS)や、独自開発したデータ変換ソフトウェア「Application Service Handler」(ASH)を組み合わせる。EPLSはペンに記録されたIDから、データを対応する業務システムに振り分けて管理する。ASHは文字認識機能により、手書き情報からテキストデータへの変換を行う。
デジタルペンソリューションは、スタンドアロンのモデルから、50人、500人、3000人規模向けのサーバモデルまで、業務量や規模に合わせ、各種のモデルを用意する。50人モデルの価格は550万円で、ペン50本、紙5種類、EPLS、ASHなどで構成する。
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