大日本印刷(DNP)は1月30日、3次元(3D)CGで作成した仮想的な立体物上に写真などの画像を貼り付けて作るホログラム「バーチャグラムVer.2」を発表した。2月1日に販売を開始する。
通常のホログラムは、実在の模型を撮影して作るため、模型化が難しい複雑な形状や位置関係の立体物は利用しにくい。これに対し、DNPは2003年に、CGで作成した仮想立体物をホログラム画像として記録する「バーチャグラム」の販売を始めた。
バーチャグラムは、光学的なロスやノイズが少ない手法であることから、高精細かつ高輝度で、なめらかな動きのあるホログラムを作成できる。そのため、従来のホログラムに比べ偽造が困難という。
バーチャグラムVer.2は、CGによる仮想立体物の上に、写真などの高精細な画像を貼り付け可能とした新たなホログラム技術。DNPでは、「従来のホログラムにない細やかな模様や濃淡が表示でき、一見で真贋判定できる」としている。CGで画像を作るので、肉眼では見えない、もしくはかろうじて見える程度の微細なマイクロ文字や模様などの隠し情報を画像に入れ、偽造防止効果を高められる。
「(バーチャグラムVer.2で作ったホログラムラベルなどから)ホログラムを立体画像として再生するのに必要な干渉縞データを人工的に生成するには、高度なデジタル加工処理が必要。半導体用フォトマスクの製造などに使用される電子線描画装置で干渉縞データを描画し、そこからホログラム原版を作製するため、高度な技術とノウハウが必要で偽造は極めて困難」(DNP)
バーチャグラムVer.2によるラベルの価格は、18×18mm、200万枚、単色またフルカラーで、1枚あたり約5円となる。DNPでは、偽造防止や模倣品対策などのセキュリティ用途向けに販売し、今後3年間で30億円の売り上げを見込む。
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