Adobe Systemsは米国時間1月29日、国際標準化機構(ISO)へのPDF(Portable Document Format)仕様書提出に向けた計画の詳細を発表した。ISOは、特に政府機関や大企業に大きな影響力を与える標準化団体だ。
PDFフォーマットのサブセットは、文書のアーカイブ化などの形式として普及し、すでに標準的になっている。だがAdobeの顧客たち、特に政府機関はこれまで同社に対し、PDFがISO認定の標準になれば信頼性が高まり、このファイル形式が長期的に広まるだろうと言ってきた、とAdobeのシニアバイスプレジデント兼チーフソフトウェアアーキテクトであるKevin Lynch氏は話す。
「われわれはすでに、仕様についてフィードバックを受けてはアップデートを繰り返してきた。今度はそれを、標準化団体を通じてより正式な方法で行う、ということだ」(Lynch氏)
Adobeは、「Adobe Reader」や「Adobe Acrobat」といった製品群の基本をなす仕様を、業界団体のEnterprise Content Management Association(かつてはAssociation for Information and Image Managementという名称で、今でもAIIMと呼ばれている)に提出する予定だ。
AIIMは作業部会を組織し、仕様をISOに公開することになる。ISOは、ビジネス界や顧客の代表--政府機関も含む--で構成される、PDF標準化に向けた技術委員会を招集すると見られる。
このプロセスには1年から3年かかると予想される、とLynch氏は述べた。
Lynch氏はさらに、AdobeはいかなるPDF標準にも自社製品で互換性を保つつもりだと付け加え、既存のPDF標準もまたISO標準に準拠させていくと語った。
文書フォーマットを巡る状況は、ここ2年ほどでますます活発化している。
オープンソースの「OpenDocument Format」(ODF)が、政府機関を中心に採用されるケースが増えてきた。一方でMicrosoftは、最新の「Office 2007」の文書フォーマットでISO標準の認定を受けようとしている。
「こうした文書フォーマットが標準化団体によって管理されることに、業界全体が関心を強めてきたようだ。Microsoftはそうした状況に反応したのだと当社では理解しているし、当社もやはり、それに反応しているのだ」と、Lynch氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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