Microsoftは間もなく、Windows XPユーザーに対し、論議を呼んでいる海賊版対策ツール「Windows Genuine Advantage(WGA)Notifications」の新版の配布を開始する。
Microsoftが米国時間11月28日に明らかにしたところによると、WGA Notificationsパッケージのアップデート版では、同社が以前から受けている同ソフトウェアに関する批判に対応するため、いくつかの新たな修正が加えられているという。Microsoftは6月にも、同ツールのアップデートを行っている。Windowsを再起動するたびにMicrosoftと交信する同ツールはまるでスパイウェアだ、との批判の声が上がったためだ。
MicrosoftのWindows Genuineプログラム担当ディレクターDavid Lazar氏によると、同社は、WGA Notificationsが果たす役割をより明確化するため、同ツールのインストール方法を変更したという。初期版では、冗長なユーザーライセンス約款が表示されるだけだったが、通常ユーザーはそのような約款は読まない。
「(WGA Notifications)パッケージがAutomatic Updatesを通じてPCに取り込まれ、ユーザーに提供される際に、(パッケージに関する)より多くの情報が欲しいとの要望が、数多くのユーザーから寄せられた」とLazar氏は語る。新版の最初の画面では、分かりやすい英語で書かれたWGA Notificationsの紹介文が表示され、同パッケージの利点やXPを違法にコピーした場合にどのような結果を招くか、などが説明される。
Microsoftがソフトウェアの著作権侵害対策の一環として開発したWGA Notificationsは、違法に取得したWindowsの海賊版を実行するシステム上で警告を表示する。ユーザーは、セキュリティアップデートを取得する場合と同様に、Automatic UpdatesかWindows Updateを通じて同ツールを取得する。Lazar氏によると、Microsoftは3〜4カ月毎に新版を発表する予定だという。
Lazar氏は、「新たに改ざんされたプロダクトキーが次々と見つかっているため、定期的なアップデートが必要だ」とし、さらに「われわれは、こうした改ざんキーをチェックするためにも、WGA Notificationsのアップデートを行いたいと考えている」と付け加えた。
Microsoftはこれまでに、WGA Notificationsに関する多くの批判を浴びてきた。その最大の理由は、同社がセキュリティ修正プログラムと共に、同ツールのプレリリース版を配布したためだ。つまり、Windowsユーザーは知らない間に実験台にされた可能性があるのだ。またWGA Notificationsは、PCを再起動するたびにMicrosoftのサーバと交信することも判明した。しかし、同社はその事実を公表していなかった。
また新版では、海賊版Windowsを実行していることが判明したPC上に表示される警告文が変更された。Lazar氏によると、従来の「This copy of Windows is not genuine.(このWindowsは正規版ではありません)」という文言は、あまりに非難めいていて、ユーザーは理解できなかったという。そこで新版では「Your system did not pass genuine validation.(あなたがお使いのシステムは、正規版の検証に合格しませんでした)」に変更された。
最後に、Microsoftは、ユーザーが必要に応じて正規のWindowsライセンスを取得する際に支援するプロセスを改善した。Lazar氏によると、従来のシステムにはいくつかの技術的問題があったという。
今のところ、WGA Notificationsのインストールは任意となっている。つまり、ユーザーは自分のデスクトップ上にインストールを促すポップアップ表示が現れてもインストールを拒否できる。しかし、ユーザーが正規ライセンスを受けていないWindowsを利用している場合は、Windows Media PlayerやWindowsなどのアドオンソフトウェアをダウンロードすることができない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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