オープンソース生産性スイート「OpenOffice.org」の次期バージョンは、オープンソースのウェブブラウザ「Firefox」の例に倣い、開発者を引き付けるために拡張機能をサポートする予定だという。
Firefoxユーザーは、新機能を追加する拡張機能をダウンロードし、インストールすることが可能だ。Firefoxを中心に、これらの拡張機能を開発するコミュニティが形成されてきた。そこで、OpenOfficeについても、Firefoxと同様の開発エコシステムが形成され、間もなく公開される同スイートのアップデート版でその動きが活性化することが期待されている。
OpenOfficeはこれまで、市場を独占している競合製品、「Microsoft Office」のシェアをわずかながら奪ってきた。その1つの要因として、一部の国の政府が、OpenOfficeで採用されているOpenDocumentファイルフォーマットを採用したことが挙げられる。さらに、OpenOffice向けの新しい拡張機能が利用可能になれば、わずかながら同スイートにとって追い風となる可能性がある、と調査会社RedMonkのアナリストStephen O'Gradyは指摘する。
O'Grady氏は、「ユーザーはブラウザほど簡単にオフィススイートを乗り換えることはできないから、(新たな拡張機能のサポートは)Firefoxの場合ほど重大な出来事ではない。しかし、(拡張機能のサポートにより)OpenOffice.orgがさらに興味深い、人々を引き付けるプラットフォームになる可能性がある」と語る。
OpenOfficeの起源は、Sun Microsystemsが1999年に7350万ドルで買収したStar Divisionというドイツ企業が開発した「StarOffice」と呼ばれるオフィススイートだ。Sunはその後もStarOfficeシリーズの販売を続けたが、2000年に、同シリーズをOpenOffice.orgオープンソースプロジェクトとしてもリリースした。
現在のOpenOfficeソフトウェアでもいくつかの拡張機能の利用が可能だが、間もなく公開されるバージョン2.0.4では、新しい拡張フォーマット「OXT」が追加される。OpenOfficeを多数の言語に適応させる取り組みを指揮するCharles Schultz氏は自身のブログの中で、OpenOfficeがOXTフォーマットをサポートすることで、多様なプログラミング言語で書かれた拡張機能に対応可能になる、と述べている。また、拡張機能の選択、管理、設定も容易になる、と同氏は付け加えている。
OpenOfficeプロジェクトのリーダーを務めるLouis Suarez-Potts氏によると、これらの拡張機能により、ベースとなる製品のサイズを拡大することなく新たな機能が利用可能になるという。同氏は、OpenOfficeのデータを会計ソフトに関連付ける拡張機能などの例を挙げた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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