IBMが、スーパーコンピュータ「Roadrunner」の開発を落札した。CNET News.comが入手した情報によると、Roadrunnerは、「Opteron」チップだけでなく、ソニーの「PlayStation」で採用されたCellプロセッサも搭載するという。
Pete Domenici米国上院議員(ニューメキシコ州選出、共和党)が2006年に入ってから明らかにした情報によると、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory:LANL)に納入されるスーパーコンピュータは、ペタフロップ(1秒間に1000兆の浮動小数点演算が可能)級の演算能力をもつよう設計された世界最速のマシンになるという。Domenici上院議員によると、このシステムの入札は、連邦議会の小委員会が開発プロジェクトの第1フェーズに3500万ドルの予算を割り当てた5月に開始されたという。LANLは同上院議員の地元であるニューメキシコ州にある。
計画に詳しい情報筋によると、IBMがすでに開発を落札しており、国家核安全保障庁(National Nuclear Security Administration:NNSA)が数日以内に契約を発表する見通しだという。システムは、複数のフェーズに分けて開発される予定で、米国政府がペタフロップ級のマシンを当初の設計通り完全に構築すると判断すれば、開始は9月、終了は2007年になる見通しだ。
ハイエンドスーパーコンピューティングの分野では激しい開発競争が繰り広げられている。6月には、日本の理化学研究所がスーパーコンピュータ「Protein Explorer」の完成を発表している。スーパーコンピューティング用速度テストによく利用されるLinpackを使ったテスト結果ではないものの、理研は、Protein Explorerがペタフロップ級の性能を達成したと述べている。
IBMとLANLの関係者は本計画についてコメントを控えている。LANLなどを管轄するNNSAにもコメントを求めたが、本原稿執筆時点では回答を得ることはできなかった。
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