サンフランシスコ発--IntelとDellは今週、Intel Xeonプロセッサの次世代ハイエンド版である「Tulsa」を搭載したサーバのデモを行った。IntelはTulsaの出荷を開始しているものの、公式な発表をしていなかった。
Tulsaは、当地で開催されている「LinuxWorld Conference and Expo」で展示されている、Intelが構築したサーバ(名称は付けられていない)と、Dellの「PowerEdge 6850」サーバに搭載されている。Linuxは主にサーバ用途として普及しているため、当イベントの主要スポンサーはIntel、Dell、Hewlett-Packard、Advanced Micro Devices(AMD)といった、サーバ製品企業となっている。
デュアルコアプロセッサであるTulsaは、x86アーキテクチャに基づく「NetBurst」系の最新の製品となる。NetBurstの設計は近年、パフォーマンスの増大よりも消費電力の増大が目立っていた。最近では、NetBurstの大半が、よりパフォーマンスに優れ、消費電力の少ない「Core」マイクロアーキテクチャの製品によって置き換えられている。
Intelは2006年6月、CoreベースのXeonプロセッサとして「Woodcrest」を発表したが、同プロセッサはデュアルプロセッササーバのみで利用される。これに対しTulsaはよりパワフルな4プロセッササーバ向けである。
Intelは、NetBurstが性能の向上よりも消費電力の上昇で知られるようになってしまったことで、同社が独占していたx86サーバ市場につけいる隙をAMDに与えてしまった。AMDは8月15日、デュアルコアの「Opteron」プロセッサの系列として新たに「Rev F」モデルを発表した。「Rev F」モデルではAMDの次期ソケット「Socket F」が採用されている。この「Socket F」は2007年に登場予定の4コアプロセッサにも対応する。
Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は7月、Tulsaの出荷を計画よりも早めると発表していた。
Tulsaプロセッサでは、各コアに2次キャッシュメモリが1Mバイト搭載され、2つのコアが共有する3次キャッシュメモリは、他のどのx86プロセッサよりも容量が大きく、16Mバイトにも上る。キャッシュメモリに命令やデータを格納することで、メインメモリに格納する場合よりも情報の高速な読み出しが可能となる。
当イベントに参加していたIntelのRadhika Kunte氏が述べたところによると、Tulsaには13億個のトランジスタ(これは「Itanium」プロセッサの新バージョンである「Montecito」の16億個に近いものとなっている)が搭載されているという。Intelは他社に先駆けて、一定面積当たりにより多くのトランジスタを詰め込むことのできる65ナノメートル回路技術を用いる新たな製造プロセスに移行したため、大容量キャッシュの製造において競合他社よりも有利となっている。競合他社の大半はまだ、90ナノメートルプロセスでチップを製造している。
このイベントで行われたIntelのプレゼンテーションによると、Tulsaの動作周波数は最大で3.4GHzだという。Tulsaには2種類あり、消費電力が150ワットのハイパフォーマンスモデルと、消費電力が95ワットのラックマウントサーバ向けのモデルがある。
TulsaはIntelの「Truland」プラットフォームを用いたサーバに搭載できる。同プラットフォームは、2005年初期に発表されたシングルコアのXeon「Potomac」プロセッサや、2005年後半に発表されたデュアルコア「Paxville」プロセッサで利用されている。
Intelによれば、TulsaのパフォーマンスをPaxvilleと比較すると、トランザクション処理は1.7倍、ERPソフトウェアの実行は1.4倍、Eコマースソフトウェアの実行は2倍となっているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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