IBMと米ジョージア工科大学(GIT)は、華氏マイナス451度(摂氏マイナス268度)という超低温の環境を作り出すことにより、チップを500GHz以上で動作させることに成功した。これは、シリコンベースのチップとしては新記録となる。
この実験は、シリコンゲルマニウム(SiGe)チップの最高速度の限界を探るプロジェクトの一環だ。SiGeチップは通常のシリコンチップと似ているが、パフォーマンス向上と消費電力低減のためにゲルマニウムが加えられている。
しかし、ゲルマニウムを添加することでウエハ自体やウエハから作られるチップの製造費が膨らむため、SiGeチップは通常、ごく限られた市場向けの製品となっている。IBMはSiGeチップの販売を開始した1998年以来、数億個の同チップを販売してきたのに対し、携帯電話業界に出荷される通常のシリコンチップは、年間で数十億枚に達する(SiGeチップの製造工程では、通常のシリコンチップにゲルマニウムが吹き付けられる。Intelは、微量のゲルマニウムを加えて作り出したストレインドシリコンを同社プロセッサに採用している)。
通常の室温での実験では、IBMとGITのチップは350GHz(毎秒3500億サイクル)を記録した。この数字でも、現行の一般的なPC用プロセッサの速度である1.8〜3.8GHzに比べれば、はるかに高速だ。だがSiGeチップは、より低温の環境下でさらなるパフォーマンス向上を実現できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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