ボストン発--Microsoftは米国時間6月12日、Officeアプリケーションを他社製のバックエンドビジネスアプリケーションに通じる共通の入り口として機能させる計画を明らかにした。
「Office Business Applications」と呼ばれる構想が発表された背景には、サードパーティーアプリケーションプロバイダーに対し、Microsoft Officeアプリケーションと密接に連携するコードの開発を促したいというMicrosoftの意図がある。同社は、当地で開催中の顧客カンファレンス「TechEd 2006」でこの取り組みを明らかにした。
MicrosoftとSAPは、OfficeをSAPのデータやビジネスプロセス製品へのアクセスポイントにするための開発プロジェクト「Duet」を共同で進めている。これが実現すれば、Microsoft Office Wordで内定通知書を作成し、専用の人事アプリケーションから情報を引き出すといったことが可能になる。
Microsoftの幹部らによると、同社ではOffice Business Applicationsを通して、(SAPと)同様の作業を進めるソフトウェアベンダーや企業内開発者を増やしたい考えだという。
Microsoftのインフォメーション・ワーカー・プロダクト・マネジメントグループでコーポレートバイスプレジデントを務めるChris Capossela氏は、「Office Business Applicationsは、(Office System)2007で本格的に構築できる新しいタイプのアプリケーションだ」と述べている。
2007年初頭に出荷予定のOffice System 2007には、公開される技術インターフェースに対応した共通のサービスセットが含まれる。
これらのサービスには、ワークフロー、検索、業務データカタログ、ユーザーインターフェースコンポーネント、セキュリティ、そしてOffice Open XMLファイルフォーマットなどが含まれる。
Microsoftはまた、「Lobi(Line-Of-Business Interoperability)for Microsoft Office SharePoint Server」というツールキットの詳細も明らかにした。これは、OfficeやSharePoint Portal Serverを利用して業務処理ビジネスアプリケーションを簡単に作成できることを目指して開発されたツールだ。
技術プレビューは2006年末に公開され、一般には2007年に投入されると、幹部らは語っている。
「Lobiの目標は、ラインオブビジネスアプリケーションのデータやビジネスプロセスをOfficeクライアントに組み込むことだ」(Capossela氏)
同社はこれとは別に、ERP(Enterprise Resource Planning)アプリケーションスイートのMicrosoft Dynamics AX 4.0がメーカー向けにリリースされたことも明かした。これは同製品の発売が近いことを意味する。
Microsoftの幹部らによると、同アプリケーションスイートの新版は、MicrosoftのSharePoint Portal Serverや、SQL Server 2005のレポートサービスと連携するという。同サプライチェーンアプリケーションは、RFID情報の収集と監視にも対応している。
OutlookなどのOfficeアプリケーションとの統合を徐々に進めていきたいと、Microsoft幹部らは語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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