調査会社In-Statのレポートによると、Pentium 4には最大637ドルの値段が付いているが、Intelのチップ製造コストは平均40ドルになるという。
このレポートは、設計やマーケティング費用、あるいは、実際に最高速度で動作する完成品の数が減るハイエンドチップは高額化するという事実を加味していない。しかし、このレポートはデフレの時代にIntelがどのようにして大きなマージンを維持しているかを解明している。In-Statによると、2003年以降、コストは約40ドル前後を推移し続けているという。
これには、ムーアの法則に従ったチップのサイズ縮小が大きく貢献している。チップのサイズを縮小すれば、1枚のウエハから製造できるプロセッサの数も増えるため、多額のコストを加えることなく、多くの売上を得る可能性が増す。In-Statはさらに、Intelが相変わらず新工場の建設を急速に進めていることも指摘した。同社は90ナノメートル対応の製造工場を3カ所保有しており、2006年末までには65ナノメートルの工場も4カ所になる(ナノメートルはチップ上に実装されるコンポーネントの平均サイズを示す単位で、1ナノメートルは10億分の1メートル)。
In-StatのアナリストJim McGregorは声明のなかで、「Intelは、単独でビジネスを進め、技術や製造能力を競争に活かし続けられる数少ないベンダーの1社だ」と述べた。
それでも、今後永久に小型化が進むチップに関しては、どこのベンダーも大きな技術的課題に直面しつつある。今年中には65ナノメートルチップが出る予定だが、2007年に出荷予定の45ナノメートル世代になれば、企業各社はメタルトランジスターゲートなどの多数の新技術採用を迫られるようになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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