壁や遠隔カメラ、電力メーターなどからの情報を無線でコンピュータに送る技術を使った初めての製品が、Dust Networksからリリースされた。
Dust Networks(本社:カリフォルニア州バークレー)は20日(米国時間)に、「SmartMesh」の販売を開始した。これは、ビルや工場の内部から中央のコンピュータシステムにセンサーをリンクさせる低電力ワイヤレスネットワークシステムだ。
SmartMeshの提唱者らは、このようなネットワークによってこれまで入手が困難だったり、コストが高すぎたデータを得られるようになることから、コンピュータの用途が広がるだろうと述べている。たとえばワイヤレスセンサーの初期の実験では、自然環境のなかでの動物の観察や、海底でのプレートの動きの観察などが行なわれていた。
軍の関係者らは、兵員の動きをモニターするのにワイヤレスセンサーを利用することを検討中だ。また石油会社では、現在導入している高価な有線センサーシステムの代わりにワイヤレスセンサーを採用できると考えている。
しかし、ワイヤレスセンサーの市場はバッテリーの持続時間などの技術的な問題に妨げられ、まだ当初の見込みほどには成長していない。
Dust Networksはセンサーの開発は行なっておらず、カメラや化学センサーなどのデータ収集デバイスと、大規模なコンピュータネットワークとをつなげるネットワーク機器を製造している。同社の説明によると、SmartMeshシステムでは、これらのデータ収集デバイスが互いに、あるいはコンピュータとの間で、直接データをやり取りできるという。
SmartMeshの特長は、消費電力が非常に少ないことだと同社の最高技術責任者(CTO)Kris Pisterは述べている。Pisterはカリフォルニア大学バークレー校の教授だが、現在大学から休みをもらって同社の運営に携わっている。
SmartMeshのリモートネットワークノードは、「単三電池2本で何年も、あるいはそれ自体の寿命がくるまで動き続ける」とPisterは述べ、さらに「もっとも、私の場合はあと10年くらいで寿命が尽きてしまうが」と笑いながら付け加えた。
消費電力の削減は、データを送信していない時の各ノードの電源をオフにすることで実現した。他社の多くでもデータ送信完了時に電源を切る方法を見つけているが、Dustはデータ送信が必要なときに電源をオンにする方法を発見した、とPisterはいう。
SmartMeshシステムは主に3つの要素で構成されている。センサーに取り付けて、収集したデータを中央のコンピュータシステムに送信する、ワイヤレス「モート」(「塵」の意)と呼ばれる小型デバイスと、モートのルーティングや時間調節、管理機能を実行するソフトウェア、そしてセンサーネットワークを既存のコンピューティングシステムと統合するSmartMeshマネージャーの3つだ。なお同製品の価格は発表されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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