カリフォルニア州サンタクララ発--Intelの研究者らは、たとえば駐車スペースを見つけるといった緊急の社会問題の解決に役立つ、いくつかの技術の開発に取り組んでいる。
カーネギーメロン大学とIntelが現在進めているプロジェクト「IrisNet」は、現実の世界の最新情報を提供するよう考えられたセンサーネットワークだ。これを利用すると、たとえばオレゴン州の沿岸に設置したカメラから、漁船団や鯨の出現といった突発事を知らせる情報を、離れた場所にあるパソコンに中継できる。
また有線および無線のIrisNetセンサーを駐車場に設置して、空きスペースを監視することも可能だと、この研究に携わるメンバーのひとりPhillip Gibbonsは述べている。たとえば、運転手が携帯電話を持っているか、あるいは自動車がインターネット対応ならば、車が空港に入るとウェブサイトに接続し、どの長期用駐車スペースが一番空いていそうかを調べることができる。
「われわれは、Googleがコンテンツでやっていることを、ライブデータを相手に行なっている」(Gibbons)
技術を利用して、現実生活のさまざまな障害をうまく切り抜けるというのが、Intelの取り組む研究の主要テーマの1つであり、5日(米国時間)に開催された同社の「Research Day」のメイントピックの1つだ。この研究は、人間の手をできるだけ介さずに情報を入手・選別・送信できるマシンの開発に取り組むもので、プロアクティブ・コンピューティングとも呼ばれている。
こうした研究開発には、現行のネットワークやコンピュータの改善を中心とするものや、家庭医療などの新分野でコンピューティングを利用しようとする取り組みなどがある。老人に、RFIDタグを埋め込んだ手袋を提供する実験も行なわれた。この技術を利用すれば、離れた場所にいる医師たちが、手袋から入手されたデータから老人に必要なものを予測し、突然の問題に備えられるようになる。
「われわれの関心は、シリコンの展望を広げることにある」とIntelの最高技術責任者(CTO)Pat Gelsingerは述べている。
各プロジェクトは、規模も対象もさまざまに異なっている。たとえばPlanetLabは、開発者が分散アプリケーションをテストするための世界規模のネットワークだ。
PlanetLabのネットワーク上で稼動するNetbaitは、世界規模でのインターネットトラフィックの異常急増を検知するアプリケーションだと、Intel研究者のPaul Brettは説明する。同氏によると、トラフィック増を早期に検知することにより、ワームの出現を素早く確認できるという。
これに対し、コーネル大学で開発が進められているBeehiveと、そしてCoralは、インターネットでの検索やアクセスにかかる時間を短縮しようとするもので、そのためにウェブユーザーを(探しているデータに関して)最寄りの情報源に差し向けるという方法を採っている。このやり方はネットワーク障害からの問題が起こることを防ぐのに役立つ。
「コンポーネントの一つひとつは信頼できなくても、(インターネット)全体でみればきちんと機能する」(Brett)
昨年Intel、Hewlett-Packard、Googleの3社が共同で始めたPlanetLabは、当初150台のサーバを結んでいたが、現在ではこの数が350台以上に増えている。昨年末にはカナダにあるサーバが稼働し、一方ブラジルおよびインドにあるサーバもまもなく動き始める予定だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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