米MicrosoftのWindows OSについて、そのソースコードを研究するラボが、中国の北京に開設された。
中国人民日報の報道によると、中国政府が運営している既存のソフトウェア研究機関、China Testing and Certification Center for Information Security Productsの一部として、Source Code Browsing Labと呼ばれるこのラボが開設されたという。
Microsoftは、中国政府との間で、OSのソースコードを閲覧させることに同意した初めての企業になると、同レポートは伝えており、さらにこのラボが、セキュリティに関して政府の認定を得たいと望む他の商業ソフトウェア企業の製品も扱う可能性があることを示唆している。
このレポートでは、特に最近のハッカーによる攻撃をかんがみて、Windowsのソースコードをチェックし、セキュリティ上の抜け穴がないかどうかを調べる必要性があることが強調されている。
だが、以前の報道では、同意の目的の1つとして、米国CIAがバックドアをしかけていないかを検査する必要性があることを挙げられていた。
中国は、Microsoftにとって、ソフトウェア著作権の侵害問題さえ解決されれば、潜在的に大きな市場となる。中国ではこれまで、政府がLinuxなどのオープンソースOSを全面的に支持する姿勢を示してきたことから、Microsoftでは、政府関係者と蜜な関係を構築し、Windowsのソースコードを検査のために開示するとの方針を策定していた。
今年2月、中国政府が運営するChina Information Technology Security Certification Center (CNITSEC)は、Microsoftと契約を交わし、同社の進める政府セキュリティプログラム(GSP)に参加することを決めていた。
GSPは、Windows OSの下にあるソースコードを各国の政府と共有するもので、Windows OSの安全性を懸念する声に対応することを目的としている。
MicrosoftはこのGSPで、ロシア、NATO、英国とすでに同意に至っており、またプログラムに関心を示している30以上の国、行政区、組織と現在話し合いを進めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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