カリフォルニア州サンディエゴ発--世界人口の半分に匹敵する人々が顧客となる可能性となるビジネスが他にあるだろうか。
携帯電話が出荷数においてPCを追い抜いてからしばらくたつ。しかし、携帯電話が搭載するディスプレイの解像度は、何年も前から使用されているPC用モニタに追いついていない。CESのような展示会では、信じられないほど巨大なフラットパネルテレビに話題が集中するが、今週当地で開催されているDisplaySearch U.S. FPD Conferenceに集まったディスプレイメーカーは、小さな画面に関する話題を中心に話していた。
ディスプレイは、その大きさにかかわらず、いかなる新システムにおいてもインターフェースとして不可欠だとDisplaySearchのアナリストBarry Young氏は述べる。現在、携帯電話が搭載するディスプレイの解像度は、ほとんどがQVG(320ピクセル×240ピクセル)以下であり、初期のPCに搭載されていたディスプレイが持っていた解像度の4分の1だ。しかし、回線やプロセッサの高速化により、携帯電話でも、動画の再生など、これまでに比べて多くのことが可能になってきた。
しかし、コンテンツ企業にとって、短編映画を携帯電話に配信する場合ですら、残念ながら妥協が必要になる。それは、ディスプレイが持つ限界のためだ。Samsung SDI、三洋電機、セイコーエプソン、シャープなどの企業は、大画面で使われる技術の一部を流用したり、新しい発想を得たりすることで、小型ディスプレイの改良に取り組んでいる。
携帯電話の所有者数は、2010年までに38億人に達すると予想されている。米商務省国勢調査局の予想によると、この人数は2010年における世界人口の半分に匹敵するという、とYoung氏は述べる。
どのような製品であれ、これだけの数量を製造することは大変な作業だとMotorolaのシニアスタッフエンジニアBo Polak氏は述べる。同社では、新たに出現するディスプレイ技術を正しく評価するのは難しいと考えている。その理由として、規模の小さな新興企業の多くでは、Motorolaにとってはわずかな台数ともいえる数百万ユニット規模でも、自社技術を検証できないためだとPolak氏は説明する。
一方、デザイン能力も携帯電話にとって重要であるとPolak氏は述べる。「外見も大事である。訴求力のあるデザインを作り出す必要がある」(Polak氏)
携帯電話がVGA(640ピクセル×480ピクセル)の解像度に移行した当初、進歩した部分として、一般的なLCD設計技術が2インチの画面までに縮小できたことがある。携帯電話の多くは、いわゆるパッシブマトリクスLCDを現在は使用している。それに対して、ノートPCやフラットパネルテレビでは、画質と応答時間からアクティブマトリクスLCDが好んで使われる。小型デバイスでの使用が有望視されるアクティブマトリクスディスプレイを開発する技術としては、アモルファスシリコンや低温多結晶シリコンの使用があるとDisplaySearchは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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