Red Hatが、64基のプロセッサを搭載したx86サーバをサポートする、同社の上位Linux製品をアップデートした。近い将来には、IBMの「Power」チップおよびIntelの「Itanium」チップを利用したマシンを、より大規模に構成できるようになる。
「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」は、オープンソースのOSであるLinuxの商用版の中で、最も普及しているものだ。Red Hatは米国時間3月7日に同製品のRHEL 4 Update 3をリリースし、Unix OS向けとして開発されたマルチプロセッサにLinuxを対応させた。
新たなプロセッサ技術が市場に投入されたことにより、64基のプロセッサを利用する場合に、数百万ドルもする冷蔵庫サイズのサーバを用意する必要がなくなった。今回の変更点の1つは、一片のシリコン基板に複数のプロセッサエンジンを積むマルチコアチップの採用である。また、1つのプロセッサコアで同時に複数の命令シーケンスを実行できる、マルチスレッディングも実装された。
Red Hatがマルチプロセッサをサポートしたのは、「論理的な」プロセッサに対応するためである。すなわち、64基の論理的なプロセッサを持つサーバは、64基のシングルコアプロセッサを動作させることができ、Xeonを搭載したIBMのx460サーバでは、16基のデュアルコアおよびデュアルスレッドを稼働できる。また、2007年に提供が開始されるモデルでは、16個の4コアプロセッサを利用できるようになる。
RHELは、64基のプロセッサを搭載したItaniumサーバにはすでに対応している。今回のアップデートは、IBMのPowerプロセッサを利用するマシンに対するサポートを拡大するものだ。さらに、最大256個のItaniumプロセッサおよび128個のPowerプロセッサに対するサポートの「技術プレビュー」を行うという目的もある。
そのほかの変更点としては、Itaniumプロセッサの初めてのデュアルコアモデルであるIntel「Montecito」のサポートが挙げられる。Montecitoは2006年第2四半期に出荷され、同第3四半期にはHewlett-Packardのサーバに搭載される予定だ。
Red Hatは、「OpenIB InfiniBand」ソフトウェアの技術プレビュー版も追加した。同製品は主に、高性能な専門的コンピューティングクラスタに多数のマシンを接続するために利用されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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