Lotus Notesユーザーの取り込みをねらうMicrosoftは、同製品を使う企業に向けて、自社のコラボレーションツール「Exchange」への移行を支援するソフトウェアをリリースした。
同社は一連のソフトウェアツール類を無償で提供し、LotusソフトウェアのデータをMicrosoft Exchangeのプラットフォームへ簡単に移行できるようにしていく。このツールのなかには、顧客が両社のサーバーソフトウェアの移行期間に用いるためのユーティリティ類も含まれる。
「唯一不思議なのは、なぜこれほど時間がかかったのかということだ」とGartnerのアナリスト、Matt Cainは言う。「Microsoftは以前から多くの移行ツールを出していたが、これらは長い間改訂されていなかった」(Cain)
これらの製品は米国時間17日に発表される予定で、一部のソフトウェアはただちに入手可能となり、またその他の製品は追って公開される。
このうち、今四半期に公開予定のアプリケーション分析プログラムは、企業が実際にどのプログラムを使用しているかを判別するものになると、Microsoftは述べている。また、来四半期に公開予定のデータ移行ツールは、Lotus Notesとともに出荷される人気の高いテンプレートを使用するアプリケーションからデータを移行するためのものとなる。
MicrosoftとIBMはさまざまな分野で激しく争ってきており、最近ではMicrosoft会長のBill GatesがReutersの取材に答え、最大のライバルとしてIBMの名を挙げていた。また、CEOのSteve Ballmerも昨年のパートナーカンファレンスで、Lotus Notesの顧客ベース切り崩しを目標に掲げ、これらの顧客を獲得するための「機が熟している」と述べていた。
電子メールに関しては、ほとんどの企業がすでに電子メールサーバソフトウェアを保有するため、IBMとMicrosoftは互いの顧客を奪い合う必要に迫られている、とGartnerのCainは指摘する。
「もはや未開拓の顧客はほとんどない。市場シェアを拡大するには競合他社から奪い取るしかない」(Cain)
Microsoftによると、同社は最近の傾向に満足しているという。
「Notes/Domino顧客の間で、実際にわれわれの製品に対する関心が高まっている」とMicrosoftのシニアプロダクトマネージャー、Elisa Graceffoは言う。「この数カ月間だけでも、何百社もの顧客がExchangeへ移行している」(Graceffo)
Microsoftによると、移行した企業のなかには、Adaptec、BC Biomedical Laboratories、CompUSA、Endsleigh、SGS、Wolters Kluwer、そしてWonderwareなどが含まれているという。
DominoとExchangeとの争いは、「Java」ならびに「WebSphere」を擁するIBMと「.NET」を売り込むMicrosoftが繰り広げている戦いの一部だと、Cainは指摘する。
IBMは昨年9月にNotesとDominoをアップデートし、Dominoのなかから使えるコラボレーションプログラムの開発を容易にすることを狙った機能や、パフォーマンスを改善するための機能を追加していた。
Microsoftは現在、新バージョンのExchangeをテストしているところだが、この「Exchange 12」は来年まで出荷されない可能性もある。
Cainによると、Microsoftは企業各社がLotusを使って開発したカスタムアプリケーションをExchangeに対応させるためのソフトウェアを提供していないと指摘している。
「Domino対応アプリケーションのロジックを移行可能にするツールやサービスは、いまだに出されていない」とCainは言う。「Dominoは依然として素早いアプリケーション開発を可能にする優れたツールだ。正直にいって、Dominoのようなものは市場に出回っていない」(Cain)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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