IBMは米国時間13日、ベンチャーキャピタリスト(VC)とその出資先である新興企業向けの特別クロスライセンシング・プログラムを発表した。このプログラムにより、同社の技術を新興企業に利用させようという狙いである。
「IBM Ventures in Collaboration」プログラムの下では、ベンチャーキャピタルとその出資企業は、2段階のライセンシングプログラムへのアクセスを得ることができる。同プログラムは、IBM製品のライセンシングコストを引き下げ、若手企業のためにライセンシングプロセスを簡易化することを意図したものである。
IBM Venture Capital Group広報担当者のMichelle McIntyreによれば、年商1000万ドル未満の新興企業は、スタンダードな3年間のクロスライセンシング契約を2万5000ドルで取得できるという。
年商1000万ドル以上で、製品を市場に投入しようという段階にある企業は、カスタマイズされた5年間のクロスライセンシング契約を取得し、ロイヤリティーとして1%を支払う。McIntyreによれば、企業が契約を得られる資格として収入の上限はないという。
「このプログラムは、VCから出資を受け、初期段階にある企業が遭遇する障壁を除去し、このような企業にIBMの『特許の貯蔵庫』にアクセスする機会を提供するものである」とIBM Venture Capital Groupのマネジングディレクター、Claudia Fan Munceは声明のなかで述べた。
このプログラムは最初の段階ではIBMが提携するVC企業150社に開放されるが、同社のVCネットワーク外にある新興企業とも話し合う用意がある、とMcIntryeは述べている。参加VCの中にはWalden International、U.S. Venture Partners、そして3iが含まれている。
IBMのクロスライセンシング・プログラムは、同社が若手企業との関係を強化しようという取り組みをみせるなかでの新たな動きである。これによりIBMは、同社のソフトウェアとハードウェアが新興企業の新製品に利用されることを願っている。またこの関係により、IBMは新興技術のトレンドを垣間見る機会を得ることができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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