躍進するローエンドなオープンソースデータベースに対抗しようと、Oracleが自社のデータベース製品の無償版のリリースを決めた。
Oracleでは米国時間1日に「Oracle 10g Express Edition(Oracle Database XE)」のベータ版を発表し、2005年末までに正式版の提供を開始する予定だ。学生や小規模な組織、Oracleデータベースをアプリケーションと連携させることのできるソフトウェアベンダーなどが、顧客対象となるという。
Oracle Database XEは、同社のほかのデータベース製品ラインアップとは異なり、使用制限が設けられている。同製品は、1プロセッサ、4Gバイトのディスクスペース、1Gバイトのメモリというスペックのサーバ上でしか稼働させられないのだ。
Oracleのサーバ技術部門シニアバイスプレジデントAndrew Mendelsohnは、今回の新たなローエンド製品の発表は、無料のオープンソース製品と対抗していくために行うものだと明言した。
ここ数年、企業ユーザーやウェブ開発者の間では、オープンソースデータベースの人気が着実に高まっている。
Evans Dataの調査では、開発者の間で最も人気が高いオープンソースデータベースは「MySQL」だという。また10月に入ってからは、IBMが自社の「DB2」データベースの無料版を、PHP開発パッケージの一部としてリリースしている。Microsoftも、「SQL Server 2005」の無償版である「Express Edition」を11月にも出荷する予定である。
「(ローエンドデータベースを対象とする)マーケットは確実に出現しており、需要も高まっている。こうした市場で、MySQLでもSQL Server Expressでもなく、Oracleが利用されることをわれわれは望んでいる。市場の関心もこうした流れに沿っていると思う」(Mendelsohn)
Oracleは約1年半前に、Microsoftが多数の顧客を獲得している中規模企業市場向けの「Oracle 10g Standard Edition One」を発表した。同製品は、2プロセッサマシンでのみ利用でき、1ユーザー当たりの価格は149ドルである。
無料のエントリーレベル製品を投入することで、より多くの開発者や学生にOracleデータベースに親しんでもらえればよいと、Mendelsohnは述べている。Oracleでは、こうしたユーザーがいずれハイエンド版へアップグレードを行うことを期待している。
Oracle Database XEデータベースは、Oracleの開発者ネットワークから利用でき、ウェブベースの管理者用コンソール開発ツールも含まれているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」